古巣パルマの窮地に立ち上がったブッフォン 再デビュー戦で見せた存在の大きさ

最後尾からチームメイトたちを鼓舞するブッフォン photo/Getty Images

開幕戦で7本ものセーブを記録

さまざまなクラブからオファーがあり、中にはビッグクラブからの誘いもあったようだが、20年ぶりに“始まりのクラブ”であるパルマへの復帰を果たした元イタリア代表GKジャンルイジ・ブッフォン。2部降格の憂き目にあった古巣の窮地に立ち上がった43歳の生ける伝説が、1年でクラブを1部昇格へと導く。もし実現すれば、これほどドラマティックなストーリーはないだろう。

20日に行われたセリエBの開幕戦で、フロジノーネの本拠地へ乗り込んだパルマ。今夏に2度目のユヴェントス退団を決断し、新天地に古巣パルマを選んだブッフォンが、早速この試合で再デビューを果たした。なお、ブッフォンがパルマで公式戦のピッチに立ったのは、2001年6月17日に行われたローマ戦以来、7369日ぶりだという。

スコアは2-2のドロー。2つのゴールを許し、再デビュー戦を白星で飾ることはできなかったが、最後の砦がブッフォンでなければ、アウェイで貴重な勝ち点「1」手にすることはできなかったかもしれない。それほどにブッフォンの活躍が目立った試合だった。そして、試合中の振る舞いなどを見ても、パルマに対する熱い情熱、今季に懸ける強い想いを感じることができる一戦だったのではないか。
フロジノーネに18本ものシュート(うち、枠内シュートは9本)を打たれ、ボール支配率も相手が6割と、劣勢の中での戦いではあったが、ブッフォンはこの一戦で7本ものセーブを記録して奮闘。FWカミーロ・チャーノのゴール左隅に飛んだミドルシュートを阻止するなど、43歳とは思えないプレイを披露することも多々あった。また、緩さを見せる守備陣に対して叱咤激励したり、大声でチームメイトに活を入れたり、ピッチ上での存在の大きさも改めて示していたのだ。データサイト『SofaScore』では、そんなブッフォンに対して両チーム最高となる「7.9」の評価が付けられている。

試合後に更新したTwitterでは「目標を達成するために、必要なものはすべて捧げるつもりだ。タフで拮抗した長いリーグ戦になるだろう。欲しいものを手に入れるには、すべてのボールに対して闘っていく必要がある」と想いを綴っていた。はたして、ブッフォンはパルマをセリエAへ復帰させることができるのか。熱い魂を持ったこの生ける伝説の新たな挑戦に目が離せない。

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