ジルーは11人目の犠牲者になってしまうのか 襲いかかる“呪いのジンクス”

ミランで背番号「9」を選択したジルー photo/Getty Image

跳ね除けるだけの条件は整っている

フランス代表FWオリヴィエ・ジルーは、10年越しに“呪いのジンクス”を打ち破ってみせるのか。それとも11人目の犠牲者になってしまうのか。

ミランは17日、チェルシーからジルーを獲得したことを発表した。ジルーが新天地で選んだ背番号は「9」。ストライカーとしては、なんら不思議ではない背番号の選択だ。しかし、ミランでこの背番号は特別なナンバーとなっている。マルコ・ファン・バステンやジョージ・ウェア、フィリッポ・インザーギら名手たちが背負ってきたナンバーであるとともに、インザーギが背番号「9」のユニフォームを脱いで以降の選手たちはなかなか活躍できていないナンバーなのである。その結果、いつしかミランには「呪いの9番」というジンクスが生まれてしまったほどだ。

今年1月にミランへ加入し、満を持して背番号「9」を選んだ元クロアチア代表FWマリオ・マンジュキッチも大苦戦。公式戦11試合に出場してゴールネットを揺らすことができなかった。昨夏から半年間フリーの状態で、実戦から離れていた影響ももちろんあるだろうが、豊富な経験を持ち、セリエAでの実績も十分な百戦錬磨のアタッカーでさえも結果を残せなかったのだ。
実際に、インザーギ以降に背番号「9」を身につけた選手たちの成績は以下の通り。

2012-13シーズン
◯アレシャンドレ・パト 公式戦7試合2ゴール1アシスト(冬に退団)

2013-14 シーズン
◯アレッサンドロ・マトリ 公式戦18試合1ゴール(冬にレンタル移籍)

2014-15シーズン
◯フェルナンド・トーレス 公式戦10試合1ゴール(冬に退団)
◯マッティア・デストロ 公式戦15試合3ゴール(シーズン終了後にレンタルバック)

2015-16シーズン
◯ルイス・アドリアーノ 公式戦29試合6ゴール4アシスト(翌シーズンは背番号「7」に変更)

2016-17シーズン
◯ジャンルカ・ラパドゥーラ 公式戦29試合8ゴール3アシスト(シーズン終了後にレンタル移籍)

2017-18シーズン
◯アンドレ・シウバ 公式戦40試合10ゴール2アシスト(シーズン終了後にレンタル移籍)

2018-19シーズン
◯ゴンサロ・イグアイン 公式戦22試合8ゴール3アシスト(冬にレンタル打ち切り)

2019-20シーズン
◯クシシュトフ・ピョンテク 公式戦20試合5ゴール1アシスト(冬に退団)

2020-21シーズン
◯マリオ・マンジュキッチ 公式戦11試合(今夏に契約満了)

インザーギが引退して以降、背番号「9」のユニフォームを着て2シーズン以上プレイできた選手はいない。ジルーはミランで結果を残し、チームに栄光をもたらすことができるのか。これまでの選手たちとは違い、昨季は2位でフィニッシュと、チームの調子も上向きで、ジンクスを跳ね除けるだけの条件は整っている。

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