大崩れしない日本王者の強さ 生まれつつある勝者のメンタリティ

2ゴールを決めたレアンドロ・ダミアン photo/Getty Images

初戦を制し勝ち点3を手にした

日本の王者として今回のACLに参加した川崎フロンターレ。直前にチームの主力である田中碧がドイツ2部のデュッセルドルフへ移籍しており、言ってしまえば戦力ダウンした中で初戦の大邱FC戦に臨んだ。

フォーメーションは基本形である[4-3-3]の並びで抜けた田中のポジションは脇坂泰斗が埋める形となった。

すると、開始早々に自陣でのミスからMFファン・スンミンにゴールを決められると、28分にはジェジエウがPKを献上してしまう波乱の展開に。早い段階で2点差は厳しいと思われたが、チョン・ソンリョンのビッグセーブで何とか持ちこたえた。序盤から完璧に相手に崩されたわけではないが、自陣でのクリアミスやカウンターで攻め込まれる場面が散見されており、悪い流れを断ち切れないでいたが、ここから川崎が本来の実力を見せ始める。

普段Jリーグでやっている後方からの丁寧な組み立てにサイドバックを絡めた崩しで敵陣に攻め込んでいく。同点弾の場面も相手を押し込んだ状態でセンターバックであるジェジエウが高い位置を取って前線に浮き球のパス。これをレアンドロ・ダミアンがDFを背負いつつバイシクルシュートを沈めるスーパーな活躍で同点に追い付いた。これに関してはさすがダミアンと言うしかない素晴らしいプレイであった。

ここで完全に流れを掴んだ川崎は一度相手に突き放されるも、再びダミアンがゴールを決めて同点に。55分にはジョアン・シミッチがセットプレイから逆転弾を挙げ、そのまま逃げ切りに成功し3-2で勝利した。

大事なACLと言うこともあり、流れを持っていかれそうになるも自分たちのサッカーを取り戻し、逆転に成功できるのはさすが川崎か。昨季国内王者、今季もJリーグ独走中と勝利のメンタリティがチーム内に生まれているのか難しいゲームで本来の実力を発揮し、勝ちきれるのは強いチームの証である。

特に三笘薫と旗手怜央は止められても何度も仕掛けており、彼らの物怖じしない強さは見習える部分がある。

また、終盤には負傷離脱していた大島僚太が復帰し、素晴らしいACL初戦となった。

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