なぜポルトガルはゴセンスをフリーにしてしまったのか? 最後まで抑えきれず4失点

ポルトガル撃破に大きく貢献したゴセンス photo/Getty Images

最後まで攻める姿勢をやめず

UEFA EURO2020でドイツ代表はポルトガル代表と対戦。先制点を決められる展開となったが、ポルトガルのオウンゴールを誘発するなど逆転に成功し、4-2と勝利を収めた。

この試合でMVP級の活躍を見せた選手が左WBのロビン・ゴセンスだ。ヨアヒム・レーヴ監督はこの試合でも[3-4-3]のシステムを採用。4バックで守るポルトガルに対して逆サイドをフリーにさせる攻撃を仕掛けた。

それが実を結んだのが、1点ビハインドの35分。ジョシュア・キミッヒのパスからフリーで走り込んだゴセンスのクロスがルベン・ディアスのオウンゴールを誘発。39分には、両サイドから揺さぶると、キミッヒのクロスをラファエル・ゲレイロの足に当たってゴールネットを揺らす。どちらも逆サイドにフリーな選手が生まれることによって、ゴールを奪い取った。
ポルトガルはネウソン・セメドとベルナルド・シウバも守備に時間を割くことになり、攻撃も単調に終わってしまう。後半の頭からB・シウバに代えてレナト・サンチェスを投入。右サイドから攻勢に出るも状況は打開できず。前半と変わらずWBが攻め上がってフリーな状態を作り出したドイツが後半も2ゴールを獲得。ゴセンスは1ゴール1アシストと活躍し、ポルトガル撃破の立役者となった。

前半で逆転され、あえてサイドから攻めるという選択肢を選んだポルトガルのフェルナンド・サントス監督。しかし、その策略は裏目に出てしまった。後半もゴセンスを捕まえきれずに度々フリーにする展開が続き、2ゴールを生み出されるなど厳しい結果に。ラファ・シウバを投入するも、最後まで抑えることはできなかった。

まさかの4失点となったポルトガルだが、守勢には回らず攻撃的な采配を続けた。指揮官はイギリスメディア『Sky Sports』で試合後に「2点目のチャンスを決め切れれば、結果は違った」と攻撃についてコメント。守備よりもゴールを最優先するため、攻撃に人を割いた采配を行なった。最終的にはドイツの狙いがはっきりと出てしまったが、その姿勢は次戦への選手たちのモチベーションとなるだろう。フランス代表との対戦では、どのような結果が待っているだろうか。

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