160ゴールの“BBC時代”から半減 アンチェロッティを待つ難解なミッション

ゴールを量産していたBBC photo/Getty Images

当時とは攻撃力に大きな違いが

レアル・マドリードの指揮官に復帰したカルロ・アンチェロッティに求められるものは何か。答えはシンプルで、まずは火力不足を改善しなければならない。

アンチェロッティは2013-14シーズンにレアルをチャンピオンズリーグ制覇へ導いたが、当時のチームは世界屈指の攻撃力を誇っていた。リーグ戦だけで104得点を稼ぎ出し、すべてのコンペティションを合わせると奪った得点はちょうど160点。圧倒的な破壊力で敵をねじ伏せたのだ。

内訳を見ると、やはりクリスティアーノ・ロナウドの存在が大きい。ロナウドはこのシーズンに51得点を記録しており、それに次ぐのがカリム・ベンゼマで24得点、ガレス・ベイルの22得点だ。BBCにとって1つの全盛期だったのは間違いない。
さらにイスコとアンヘル・ディ・マリアが二桁11得点を記録し、アルバロ・モラタが9得点、ヘセ・ロドリゲスが8得点、セルヒオ・ラモスもセンターバックながら7得点を稼いだ。

しかし、今はロナウドもディ・マリアもモラタもいない。ベイルもEURO2020後の未来が見えないままだ。

今季のレアルは全コンペティション合わせた得点数が88得点に留まっており、当時からはほとんど半減だ。スペイン国王杯で早々に敗退したことも影響しているとはいえ、さすがに落ちすぎだ。二桁得点を決めたのはベンゼマのみ(30得点)で、アンチェロッティは攻撃を大幅に改善していく必要がある。

ヴィニシウス・ジュニオール、ロドリゴ・ゴエスら若い選手の能力を伸ばしつつ、エデン・アザールのフル稼働も促す。そこにパリ・サンジェルマンFWキリアン・ムバッペ、ドルトムントFWアーリング・ハーランドといった強力な新戦力を加えることが出来れば、何とか形は見えてくる。

8年前とは大きく状況が異なっているが、アンチェロッティは銀河系軍団の名にふさわしい破壊力を取り戻すことが出来るか。想像以上に難しいミッションであり、名将アンチェロッティと言えども苦戦することになりそうだ。

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