ジェズス&ジンチェンコの同期を覚えているか マンCに帰って来れぬ苦悩のFW

2016年のマンC加入当初には、19歳ながらコロンビア代表にも選出されていたモレノ photo/Getty Images

2016年夏に加入した“19歳・三人衆”の一角

FWガブリエウ・ジェズスにDFオレクサンドル・ジンチェンコ。この2人はともに19歳だった2016年夏に、マンチェスター・シティへの加入が決定した選手たちだ。しかし、同じタイミングでマンCが獲得した“もうひとり”の19歳を覚えている人は少ないのではないだろうか。

その選手とは、今では24歳となったFWマルロス・モレノだ。マンC移籍直前の2016年シーズンには、主力として所属するアトレティコ・ナシオナル(コロンビア)をコパ・リベルタドーレス優勝へと導いた同選手。コロンビア代表にも選出されており、この時点で相当な期待をかけられていたことは間違いない。

しかし、その後のキャリアは鳴かず飛ばず。加入から4年半のときが経過したものの、モレノはいまだにマンCでの出場がない。これまではデポルティボやジローナ、フランメンゴ、ポルティモネンセなど、計6クラブに貸し出されることとなっている。そして、今季はベルギーのロンメルSKにレンタル中。ジンチェンコが早々にこの“レンタル・ループ”を抜け出した一方で、同期のモレノはまだその流れに囚われることとなっている。
そんなモレノだが、彼にはもうタイミリミットが近づいているのか。今年9月で25歳を迎える同選手。もう若手とは呼べない年齢なだけに、マンCが今季限りで彼を見限る可能性は高い。今季はロンメルでもここまで公式戦25試合に出場して6ゴール4アシスト。決して悪い数字ではないが、突き抜けた成績でないのも確かだ。ベルギーリーグでプレイしているのならば、クラブとしてももう少し圧倒的な数字を残してほしいというのが本音だろう。

加えて、マンCとモレノの現行契約は2023年まで。少しでも移籍金を回収したいと考えるならば、今夏あたりに売却を狙いたいという考えを持っていても不思議ではない。コロンビア版『AS』によると、モレノは「契約は2023年まである。シティに戻って最高の選手になりたい」と意気込んでいるが、その夢を実現させるのは現時点では厳しいと言わざるを得ないか。

スタートラインこそジェズスやジンチェンコとそこまで変わらなかったものの、時間を経るごとにその差がかなり開いてしまったモレノ。はたして、マンCの“忘れられた男”となってしまったアタッカーは、ここからどのようなキャリアを歩んでいくのだろうか。ペップ・シティでの大成こそ難しそうだが、また違ったルートでのブレイクを期待したいところだ。

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