6年前は“無職”だった男がワールドクラスに? 29歳の守護神が臨む大いなる挑戦

チェルシーを最後方から支えるメンディ photo/Getty Images

チェルシーの救世主となった正守護神

2014-15シーズンには所属クラブも見つからなかった男が、今では欧州最高峰の舞台であるチャンピオンズリーグでプレイするまでになった。それもチェルシーの正守護神に定着して、チームのベスト4進出に貢献。とても信じられないようなストーリーだが、これはセネガル代表GKエドゥアール・メンディ(29)に関する実話だ。6年前まで無職だった男が、今ではサッカー界を代表するスーパースターたちとしのぎを削っている。

パフォーマンスが不安定だったスペイン代表GKケパ・アリサバラガ(26)に代わる守護神として、昨年9月にスタッド・レンヌからチェルシーへ移籍してきたメンディ。すると、この29歳はすぐに正GKの座を射止め、周囲の期待を上回るパフォーマンスを披露。クリーンシートを連発し、ブルーズの弱点となっていた守備の穴を見事埋めることに成功した。そんなメンディは2014-15シーズンに所属クラブが見つからず、1年間にわたって“無職”を経験したことでも知られている。恋人が妊娠していたなか、失業保険で生活をしていたというのだから驚きだ。

だが、そんな苦労人時代を経て、今では世界最高峰のレベルでプレイしているメンディ。もう29歳の同選手だが、少し遅れてブレイクした男はここからスターダムを駆け上がっていくことになるだろう。では、そんなメンディがワールドクラスの守護神として多くの人に認められるには、どんなものが必要になってくるか。
おそらく、それはタイトルかもしれない。今のメンディの実力を持ってすれば、それさえ手に入れることができればワールドクラスの仲間入りを果たすことができるだろう。トッテナムに所属するイングランド代表FWハリー・ケインが世界的にそこまで高い評価を得ることができていないのを見ても、ワールドクラスの称号を得るにはタイトルの有無が重要なのだと思い知らされる。そして本人も、これについては次のように自身の見解を明かしている。

「ビッグクラブに所属しているGKは、その能力を示すのが難しい。ピンチの数が少ないからね。だから、その選手の改善や進歩は見えにくいんだ。でも、タイトルを手にすることができれば、その能力の高さを証明することになる。ぼくもCLでここまでたどり着けたのは嬉しいよ。このままもっと勝利に貢献したいね」(英『Daily Mirror』より)

GKは特にアピールが難しいポジション。やはり、世界的名手であるかどうかの基準として、タイトルの有無は問われる要素のひとつなのだろう。現地時間27日に行われたレアル・マドリードとのCL準決勝1stレグこそ引き分けに終わったが、メンディはここからも好セーブ連発でチームを優勝に導くことができるか。チームの下馬評が低いなかでCL制覇を達成することとなれば、より一層メンディの評価は上がってくるはずだ。

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