エリクセン、イタリアで切り開く新たな才能 考え方の変化も進化を加速

守備面で存在感を放つことが増えたエリクセン(右)photo/Getty Images

いよいよ必要不可欠な選手に

インテルにようやくフィットしてきたデンマーク代表MFクリスティアン・エリクセンが、イタリアの地で新たな才能を開花させている。

2020年1月にトッテナムを離れ、インテルへ移籍したエリクセン。大きな期待を背負ってミラノの名門クラブへ加入したが、新天地であるイタリアのサッカーになかなか適応することができず、その期待とは裏腹に大苦戦を強いられる。華麗なテクニックに正確無比なキック、イングランドで長年輝きを放ってきた面影は一切なく、昨季後半戦はリーグ戦17試合に出場するも半数以上が途中出場。今季もシーズンの折り返し地点では同9試合の出場にとどまっており、思うような結果が残せていない。そのため、今年1月の移籍市場ではわずか1年での退団も噂されたほどだ。

しかし、インテル加入から1年が経ち、エリクセンの状況も徐々に変わってきている。これまで主にトップ下として起用されることが多かったが、1月末からはインサイドハーフ、もしくはボランチを任されるようになると、ピッチ内での存在感が一気に増して主力へ定着。足元の技術やビルドアップ能力に長け、同じビジョンを頭の中で描けるMFマルセロ・ブロゾビッチとの距離が近くなったことがポジティブに働いたに違いない。さらに、言葉の壁を徐々に乗り越えていったことで、アントニオ・コンテ監督を含めて周囲からの信頼も深まっているように思う。試合中のタッチ数が格段に増えたことから見てもそれがわかる。

また、これまでは決定機を演出したり、自らゴールを決めたりと、エリクセンは攻撃的な選手であったが、最近は守備面で光るシーンが多々見受けられる。相手の攻撃をきちんと遅らせたり、抜群のポジショニングからパスコースを読んでボールを奪い去ったり、手を抜かずにプレスバックしたり……。ポジション変更の影響が大きいだろうが、守備の才能が開花しているのだ。虎視眈々とインターセプトやタックルを狙っている姿ひとつをみても、イングランドではなかなか見られなかった姿ではないだろうか。

自身のプレイに対する考え方の変化も、エリクセンの進化を加速させていることだろう。『DAZN』のインタビューで「それが新しいエリクセンなのか、少しプレイの幅が広がった古いエリクセンなのかはわからない。ただ、今のシステムだとプレイする位置が少し低くなっているので、守備面でより深く関わることが多いね。ボールを奪い返したり、タックルしたりするための準備をしなければならないんだ。今までもう少し高い位置でプレイしていたから、適応しなければならないのは明白だった。僕は少しずつ学んでいき、今では自分がどんなプレイをしなければならないのかをきちんと理解しているよ」と明かしていた。

守備大国イタリアで守備力を磨き、新たなスタイルを確立しつつあるエリクセン。元々ハードワークするタイプであっただけに、守備面でも結果を残すようになれば、いよいよチームに必要不可欠な選手となりそうだ。

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