アタランタが注力すべきは2人の“名パサー封じ” レアルの頼みの綱はロングカウンターか 

アタランタの2ボランチの一角フロイラー(右)と、正確なパスでレアルの攻撃を司るクロース(左) photo/Getty Images 

問われるアタランタの真価

2020-21シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ・ラウンド16の1stレグ、アタランタ対レアル・マドリードの一戦が、日本時間の2月25日に行われる。アタランタが得意としているハイプレスを、レアル・マドリード陣営がいなせるか。これが勝敗の行方を左右するポイントとなりそうだ。

2016年に赴任したジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督の指導のもと、フィールドプレイヤー全員によるマンツーマンディフェンスが板についているアタランタ。どの相手に対しても基本的に3バックで挑んでいるが、マンツーマンディフェンスを嵌めやすくするため、前線の並びは相手の陣形に応じて微調整している。[4-1-2-3]を基本布陣としているチームには[3-4-1-2]で挑む傾向が強いため、今回のレアル戦における前線の並びは“2トップと1人のトップ下”という組み合わせとなりそうだ。

必然的にレアルの2センターバックとアンカーにはアタランタの2トップとトップ下、レアルのインサイドハーフにはアタランタの2ボランチがマークに付く形となりそうだが、アタランタが特に注力すべきは、生半可なプレスではパスの精度が落ちないルカ・モドリッチとトニ・クロースを徹底的にマークすること。このレアルの強力な2インサイドハーフに前を向く隙を与えてしまえば、カウンターの起点となるパスを繰り出されてしまい、ピンチが増えるだろう。
昨シーズンのチャンピオンズリーグ準々決勝(パリ・サンジェルマン戦)では試合終盤にプレスの強度が落ち、後半終了間際の2失点で逆転負けという屈辱を味わったアタランタが、成長の証を示せるか。2シーズン連続でCLの決勝ラウンドに進んだ同クラブにとっては真価が問われる試合であり、ボランチでの先発が濃厚なレモ・フロイラーとマルテン・デ・ローンの働きぶりは、特に重要なポイントとなりそうだ。

一方のレアル・マドリードは、ディフェンスリーダーのセルヒオ・ラモスを筆頭に、負傷者が続出。カリム・ベンゼマ、エデン・アザール、ロドリゴといったアタッカー陣に加え、DFのエデル・ミリトン、マルセロ、ダニエル・カルバハル、MFのフェデリコ・バルベルデらも招集メンバーから外れるなど、苦しい台所事情となっている。

カバーリングエリアが広いラモスが不在の今、闇雲に最終ラインを上げようものなら、ルイス・ムリエルやドゥバン・サパタというアタランタの俊足FWにラインの背後を突かれ、複数失点を喫しかねない。自陣にリトリートしてアタランタの攻撃を受け止めながら、奪ったボールを素早く前線へ送るというロングカウンターでアウェイゴールを狙うのが、現状では得策と言えるだろう。モドリッチとクロースがどれほど前を向いてパスを繰り出せるかが、レアルにとっては死活問題となりそうだ。


UEFAチャンピオンズリーグ・ラウンド16(1stレグ)

アタランタ×レアル・マドリード

日本時間 2月25日 午前5時 キックオフ


【予想スターティングメンバー】

アタランタ

GK 95 ピエルルイジ・ゴッリーニ
DF 2 ラファエウ・トロイ
DF 17 クリスティアン・ロメロ
DF 19 ベラト・ジムシティ
MF 8 ロビン・ゴセンス
MF 11 レモ・フロイラー
MF 15 マルテン・デ・ローン
MF 3 ヨアキム・メーレ
MF 72 ヨシップ・イリチッチ
FW 9 ルイス・ムリエル
FW 91 ドゥバン・サパタ


レアル・マドリード

GK 1 ティボー・クルトワ
DF 17 ルーカス・バスケス
DF 5 ラファエル・ヴァラン
DF 6 ナチョ・フェルナンデス
DF 23 フェルランド・メンディ
MF 14 カゼミロ
MF 8 トニ・クロース
MF 10 ルカ・モドリッチ
FW 11 マルコ・アセンシオ
FW 20 ヴィニシウス・ジュニオール
FW 24 マリアーノ・ディアス

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