なぜレスターは2015-16シーズンに奇跡のプレミア制覇を果たせたのか 当時のDFリーダーが思う2つの要素「魔法の公式なんてものは存在しなかった」

2015-16のプレミアを制したレスター photo/Getty Images

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誰も予想しなかった優勝劇

レスター・シティが奇跡のプレミア制覇を成し遂げた2015-16シーズンから10年。とんでもないミラクル優勝だったが、なぜ当時のレスターはプレミアを制することが出来たのか。

当時レスターの最終ラインを統率する存在だったDFウェス・モーガンは、2つの重要な要素があったと振り返る。まず1つは、チームが団結していたことだ。それは選手だけでなく、オーナー陣も同様だったという。2018年のヘリコプター事故で亡くなった当時のレスター会長ビチャイ・スリバッダナプラバ氏とも、モーガンたち選手は良好な関係を築いていたという。

「誰もがあの優勝の秘訣を知りたがる。でも、そんな魔法の公式なんてものは存在しなかったと思う。まず我々はとても団結していた。選手だけでなく、クラブのフロントやオーナー陣もだ。リーグ優勝を目指していたわけではなく、ただ団結を保とうとしていた。オーナー陣も大きな役割を果たしてくれた。私たちのところへ足を運び、『次の9ポイントのうち6ポイント取ったらディナーを奢ってあげるよ』とか、チャレンジをくれた。オーナーとは何度も冗談を言い合ったし、フロントも素晴らしかった」
そしてもう一つ。モーガンは謙虚にも、他クラブが調子を落としていたこともレスターが優勝できた理由と語っている。

「チームのまとまりに加え、そこに少しの幸運もあった。あのシーズンは他のトップチームが最高のパフォーマンスを発揮できていなかったからね」(『Daily Star』より)。

当時のレスターは勝ち点81を稼いで優勝したが、通常のシーズンなら勝ち点81では優勝に届かなかったかもしれない。マンチェスター・シティや前年王者チェルシーなどの調子が上がらなかったことは確かにラッキーだったと言える。

それでも点取り屋のジェイミー・バーディ、右サイドからチャンスを作るリヤド・マフレズ、中盤でボールを回収するエンゴロ・カンテ、守備を統率したモーガンとロベルト・フートなど、センターラインを中心に当時のレスターは強かった。バーディの相棒として走り続けた岡崎慎司も自身の役割を全うした1人であり、モーガンが強調した団結力は本物だったと言える。



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