“NEXTクロース”は来季どこでプレイする ドイツで評価高める23歳の逸材MF

今夏去就に注目が集まるノイハウス photo/Getty Images

状況を考察した上で有力と言えるのは……

ドイツ・ブンデスリーガで赤丸急上昇中の中盤戦士は、はたして来季どのクラブでプレイしているのだろうか。中堅クラブでプレイするテクニシャンの周囲が慌ただしくなってきている。

そのテクニシャンとは、ボルシアMGのMFフロリアン・ノイハウス(23)だ。同選手は昨年10月にドイツ代表デビューも飾っている逸材で、狭いスペースも苦にしないボールスキルと視野の広さはリーグ屈指。どんな密集地隊でも常に落ち着いてパスを捌き、ルートを見つければピッチ上のどこへでも味方にボールを届けるプレイスタイルから、現地では“NEXTトニ・クロース”と呼ばれることも。そんな実力の持ち主であることから、彼にはかねてより今夏移籍の噂が後を絶たない。

MFの人員不足に喘ぐチームからしてみれば、中盤に変化をつけることができるノイハウスは喉から手が出るほど欲しい人材と言えるだろう。実際、現在はバイエルン・ミュンヘンやドルトムント、リヴァプールといったビッグクラブが今夏の同選手獲得に向けて食指を伸ばしているとされる。
しかし、そのプレイスタイルや彼を取り巻く環境から考察してみると、今夏におけるノイハウスの選択肢はおのずと限られたものになってくる。いずれも中盤の人員不足に喘いでいる3クラブ。しかし、そのうち2クラブがノイハウスを獲得することになれば、周囲の風当たりは強くなることが予想される。

その1つ目はドルトムント。同クラブは来季からノイハウスの所属するボルシアMGからマルコ・ローゼ監督の来季指揮官就任が決まっており、現地時間17日に行われた会見にて同監督は「ボルシアMGからドルトムントへ、選手を一緒に連れて行くつもりはない」と明言。ローゼ監督はザルツブルクからボルシアMGの監督に就任した際に、古巣時代の教え子を新たなクラブへ何人か引き連れてきた経緯があるものの、今回のドルトムント行きで同じことはしないと誓った格好だ。ここまで言っておきながらノイハウスを引き抜くこととなれば、ローゼ監督だけでなくノイハウス自身も批判の対象になることは避けられない。気持ちよくプレイするためにも、ドルトムントへの移籍は得策と言えない状況になったと言っていいだろう。

2つ目はリヴァプールだ。こちらはノイハウスのプレイスタイルが大きく関係している。今季バイエルンから加入したMFチアゴ・アルカンタラがリヴァプールの直線的なリズムに適応しきれていないことから見ても、チアゴと同じテクニシャンタイプのノイハウスがフィットするとは考えづらい。これ以上中盤にボールアーティストを増やせば、リヴァプールがこれまで作り上げてきた攻撃の形が崩壊してしまう可能性もある。わざわざマイナスのイメージから信頼を掴み取らなければならないリヴァプールへ移籍するメリットは、ノイハウスにとって少ないと言わざるを得ないだろう。

そうなれば、消去法的に有力なのはバイエルンへの移籍か。昨夏チアゴをリヴァプールに引き抜かれた同クラブは、MFジョシュア・キミッヒの負傷離脱もあって一時的に中盤のクオリティ不足に陥った。彼らにとってテクニシャン系のMFはいくらいてもいいはずで、場合によってはキミッヒを他のポジションにズラしながらノイハウスを活かすという選択肢を取ることも可能なはずだ。この3クラブの中ならば、ノイハウスを一番上手く扱えるのはバイエルン。そういっても過言ではないだろう。

加えて、バイエルンへの移籍は本人の希望にもマッチしている。独『Spox』によると、ノイハウスは自身の今夏の去就について、「僕はボルシアで2024年まで契約を結んでいる。だけど、いずれタイトルを獲得したいと思っていることも事実だ。今のところ、夏に何が起こるかはまだ言えないね」と話している。もちろんボルシアMGに残留する可能性も大いにあるが、タイトルを狙うのであればそれに一番近いのはバイエルン。他の有力候補2クラブの状況からしても、移籍するならば国内の絶対王者という気持ちは強いのかもしれない。

とはいえ、やはり夏の移籍市場まで状況は刻一刻と変化する。はたして、ボルシアMGの“NEXTクロース”は次のマーケットでどのような決断をすることとなるのだろうか。若きドイツ代表MFの動向からは、今後も目が離せない。

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