マンUでの苦しみを乗り越え“完全復活”へ ロシアW杯戦士が始める逆襲劇

今冬マンUからウェストハムへレンタルで加入したリンガード photo/Getty Images

“良い準備”が生んだ新天地での活躍

マンチェスター・ユナイテッドで構想外となり、出場機会を求めて今冬ウェストハムへとレンタル移籍したMFジェシー・リンガード(28)。イングランド代表の一員として2018年ロシアW杯に出場しながらも、ここ数年実力を発揮できていなかった同選手だが、このアタッカーは新天地で早くも最高級の活躍を披露することに成功している。

リンガードが素晴らしい活躍を見せたのは、移籍後初年となった現地時間3日のアストン・ヴィラ戦だ。この試合に攻撃的MFとして先発を果たした同選手は、56分と83分にゴールを奪う大活躍を披露。マンUでは今季プレミアでの出場が全くなかったリンガードだが、新天地でいきなりチームの勝利(3-1)に貢献してみせた。その後のフラム戦とシェフィールド・ユナイテッド戦でも上々のパフォーマンスを披露し、赤い悪魔で燻っていたMFは早くも復活の兆しを見せている。

そんなリンガードだが、彼はいったいなぜここまで早くトップフォームを取り戻しつつあるのか。今季前半戦、マンUでの公式戦出場時間わずか179分だった男の早すぎる活躍に驚いている人も少なくはないだろう。しかし、その理由はリンガードの準備の良さにあったようだ。マンUで出場機会に恵まれていなかった間も、自分はしっかりとトレーニングを積んでコンディションを維持していたのだと、同選手は英『BT Sport』へ次のように語る。
「ロックダウン中、僕は最高のプレイをしていた頃のことを思い出していたんだ。ジョゼ(・モウリーニョ)の下で多くのゴールを決めてW杯にも出場したシーズン、そしてオーレが来たばかりの頃だね。それを見返して、もう一度気持ちに火をつけようとしたんだ。その甲斐もあって、ロックダウン後の僕はコンディション万全の状態でリーグ戦の再開を迎えるこことができた。でも、そこに僕の待っていたチャンスはなかった。プレイしていない間は、ずっと余分にトレーニングをこなして来るべき時のために準備していたよ。だから結果を残すことができた。元のジェシーに戻るため、今後も最善を尽くそうと思う」

出場時間が限られていたなかでも、決して腐らずにトレーニングをこなしていたというリンガード。プレイする環境を変えた直後にこうした選手の努力が報われるのも、サッカーの醍醐味と言えるだろう。活躍の場を移して痛快な逆襲劇を披露するリンガードだが、はたしてこのアタッカーは今後ウェストハムでどこまで重要な存在に上り詰めるのだろうか。再タッグを組むデイビッド・モイーズ監督の下、28歳のテクニシャンが完全復活に向けて順調に歩を進めている。

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