J2の開幕が近づいています。選手にとってはまた大変なシーズンになりますが、私はもうはじまるのかとワクワクしています。J2伝道師として、たっぷりその魅力を伝えていきたいと思っています。
今年はJ1から降格したチームがなく、本命なき昇格争いという印象です。この時期はよく順位予想をしますが、はっきり言ってはじまってみないとわかりません。正直、本当に全チームにチャンスがあると思っています。昨シーズン、開幕前にどれだけの人が昇格1年目の北九州の躍進を予想したでしょうか。というか、ほぼいなかったと思います。2年続けて同じことは……という考えは通用しません。そういった意味で、J3から昇格した秋田、相模原がどれだけ荒らしてくれるか楽しみです。
新監督を迎えた5チームにも注目しています。コーチから昇格した吉田孝行監督が率いる長崎には、昨シーズンを3位で終えた悔しさが残っているはずです。あと一歩だった悔しさをどう受け止め、今シーズンにつなげるか。一昨年の横浜FC、昨年の徳島は、いずれも昇格プレイオフ敗退→翌年に昇格という道を歩んでいます。前年の結果はやはりモチベーションになります。あとは、クラブ全体でどう戦っていけるかでしょう。
曺貴裁監督が現場復帰した京都には、昇格争いにからむだけの戦力が整っています。選手の特徴に応じて、どのようなシステム、戦い方を選択するのか。また、経験があり、プレイスタイルが確立されているピーター・ウタカ、ヨルディ・バイスが曺貴裁監督のもとどんなパフォーマンスをみせるか、だいぶ興味があります。
大宮の岩瀬健監督、愛媛の和泉茂徳監督、山口の渡邉晋監督は、いずれもJ2で初采配となります。個人的に、J2は監督の個性が出るリーグだなと思っています。だからこそ、私は楽しさを感じているのかもしれません。この3名が1年目にどんなチームを作り上げるのか、しっかりとチェックしたいですね。
私が尊敬してやまないケンさん(岩尾憲/徳島)はJ1へ昇格となりましたが、今年はこの岩瀬健監督と、秋田の吉田謙監督。2人の新しい“ケンさん”がなにかをやってくれるかもしれません。前述した通り、秋田が波乱を起こしてもなんら不思議はありません。
大宮はクラブの総合力を考えれば、J2で燻っている場合ではありません。まあ、J2の半数以上のチームに同じことが言えますが……。昨年の大宮はFWが定まらず、本来中盤の菊地俊介が起用された試合もありました。岩瀬健監督がどれだけ攻撃力、得点力を高められるかがカギになりそうですが、磐田から中野誠也が完全移籍で加わっています。相当な覚悟で新シーズンを迎えていると思うので、中野誠也にはぜひ復活してほしいですね。
新潟からは若手の勢いを感じます。本間至恩がいるところに、昌平高校から小見洋太、JFAアカデミー福島から三戸舜介と、有望な高卒ルーキーが加わっています。両名ともにハードワークできる選手で、新潟のカラーに合っています。シーズン中には必ずチャンスがやってきます。そこでどんなパフォーマンスをみせられるか、その機会を見逃さないようにしたいです。