アーセナルに出現した救世主 20歳の天才肌MFがガナーズを変えた

ここ数試合でアーセナルの救世主と呼べる働きを見せているスミス・ロウ photo/Getty Images

指揮官の抜擢に応えるヤングスター

今季前半戦はなかなか思うように勝ち点を積み上げることができず、深刻な攻撃力不足の問題に悩まされていたアーセナル。しかし、彼らの調子はここ数試合で上向きつつある。一時は12月に行われたプレミアリーグ第12節のバーンリー戦から公式戦4試合勝ちなしの苦境に立たされていた同クラブだが、直近の公式戦4試合では全勝。悩める名門は、着実に波に乗り始めていると言っていいだろう。

そんなアーセナルが息を吹き返した大きな要因が、若手の躍動だ。シーズン前半戦の嫌な流れを断ち切ったプレミア第15節のチェルシー戦にて、ミケル・アルテタ監督は大幅なスタメンのメンバー変更を決断。それまでウィリアンやピエール・エメリク・オバメヤンといった経験豊富なアタッカーに頼ることも多かった前線に、この試合はMFエミール・スミス・ロウ(20)やFWガブリエウ・マルティネッリ(19)などの若い力を積極起用。その結果、MFブカヨ・サカ(19)も含めたこれらのヤングスターが躍動し、アーセナルは長いトンネルを抜け出すこととなった。

なかでも躍動が光ったのは、中盤に変化を与えたスミス・ロウだ。かねてよりブレイク候補の一角に数えられていた同選手だが、彼がここまで早くチームの中軸になると考えていた人はそう多くなかったことだろう。しかし、そんな予想に反してスミス・ロウは与えられたチャンスの中で満点に近いパフォーマンスを披露している。彼が抜擢される前までのアーセナルは各方面から創造力の欠如が指摘されることも多かったが、この20歳は持ち前の攻撃センスを武器にチームの弱点を補完。ここまで公式戦8試合で2ゴール4アシストを記録し、瞬く間にガナーズの攻撃を司る存在となった。
そんなスミス・ロウには、抜擢したアルテタ監督も大きな期待を寄せているようだ。同選手が値千金の決勝ゴールを挙げたFAカップ3回戦のニューカッスル戦後、指揮官はこの20歳について次のように語っている。英『Daily Mirror』が伝えた。

「エミールは大きなポテンシャルを秘めた選手だ。彼がピッチに立てば、他の選手には見られないような個性を披露してくれる。まだ一貫性の部分では未知数な部分も多いけれど、彼はいずれそれを獲得できると私は信じているよ」

「順調に成長していることは間違いない。今まさに彼はチームで重要な存在になっているよ。ボックス内でも相手にとって脅威になってきているしね。そして、今日は重要なゴールも決めた。彼のような若い選手と周囲の経験豊富な選手が融合して、今の我々は素晴らしいチームに仕上がっていると思う」

不調を脱しつつあるアーセナルにおいて、戦術の鍵となっている20歳のヤングスター。はたして、スミス・ロウはこのままガナーズにとって何年も重要な存在であり続けることができるのだろうか。ティーンエイジャーの頃から大きな期待をかけられていた男が、ようやくトップチームの主軸としてその地位を固めつつある。

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