超大型補強しても勝率“51.2%” サッリ体制より低調なランパードは危険か

クラブOBのランパードへの期待は大きいが…… photo/Getty Images

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思うように白星が増えない

チェルシーを指揮するフランク・ランパードの立場が怪しいものとなってきた。

チェルシーは3日にマンチェスター・シティと対戦して1-3で完敗。リーグ戦の順位は8位となっており、優勝争いから脱落したと言ってもいい状況だ。チェルシーは昨夏にFWティモ・ヴェルナーやMFカイ・ハフェルツなど複数の即戦力プレイヤーを獲得しているだけに、優勝争いからの早期脱落は許されないだろう。

ランパードの指揮官としての数字を振り返ると、ここまでチェルシーを80試合指揮した成績は41勝17分22敗。これは全てのコンペティションを合わせてのものだが、勝率は51.2%だ。一昨季チームを指揮したマウリツィオ・サッリは63試合で62%の勝率を残していたため、ランパードの数字はやや印象が悪い。
特に気になるのは守備面で、サッリ体制のチームが58失点だったのに対してランパードのチームは失点が103点に達している。最終ラインにはチアゴ・シウバやベン・チルウェルを加えたものの、まだ守備が完成したとは言い切れない状況だ。

似たような成績のチェルシー歴代指揮官では、1996年から1年半チームを指揮した元オランダ代表のルート・フリットが思い当たる。フリットの場合はプレイングマネージャーの立ち位置だったが、チェルシーでは計83試合の指揮を執って41勝18分24敗。勝率は49%だった。

フリット体制では1996-97シーズンにFA杯を制したものの、続く1997-98シーズンはリーグ戦での黒星が増えて2月に解任された。最後の一戦は0-2で敗れた2月8日のアーセナル戦だったが、そこまでリーグ戦25試合を消化して黒星が8つもあった。今季ランパード率いるチェルシーは17試合を消化した段階で5敗を喫しているため、残り8試合こなせば当時のフリット体制に近い黒星の数になりそうな気配だ。

ちなみに1997-98シーズンは途中からジャンルカ・ヴィアッリにバトンを託し、最終的にはリーグ杯とUEFA杯の2冠を達成している。それでもフリット体制では1996-97シーズンがリーグ戦6位、1997-98シーズンも4位フィニッシュとなっているため、国内リーグでの成績はあまり良いものではない。

ランパードの場合はダービー・カウンティでの指揮官経験があるものの、まだ42歳と若い。指揮官としての経験はまだまだ不足しており、その点は当時のフリットに近いものを感じさせる。

オーナーのロマン・アブラモビッチ氏もある程度の苦戦は想定していたはずだが、ランパードの仕事をどう評価するのか。これまでの基準で考えるならば、かなり危ない状況なのは間違いない。

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