再登録の決断は慎重に? アーセナルはエジルをどう扱うべきなのか

今季アーセナルで登録外となっているエジル photo/Getty Images

警鐘を鳴らす人物も

2020-21シーズン、深刻な得点力不足に悩むアーセナル。同クラブが今季ここまでプレミアリーグで記録しているチーム総得点数はいまだに「12」しかない。これはリーグ17位の成績で、彼らの攻撃力は例年に比べて明らかに落ち込んでいる。ここ数年、攻撃陣に関しては他のトップクラブにも劣らぬ破壊力を誇っていたガナーズだが、今季の彼らはその強みすらも失ってしまった。開幕前、ミケル・アルテタ監督が取り入れたシステマティックなサッカーにファンは相当な期待感を持っていたはずだが、結果はなかなかついてこない。

こうなってしまった最大の要因として、各方面から盛んに指摘されているのは攻撃時における創造性の欠如だ。アルテタ監督がいくら優れた戦術を授けようとも、ゴール前の局面において最終的にモノを言うのは個々の判断力。今のチームにおいて、その場面で変化をつけることが可能な選手といえばMFダニ・セバージョスぐらいか。彼を経由しない攻撃においてはFWまでボールが渡らぬケースも多々あり、アーセナルのシュート数は現時点でリーグ14位の146本にとどまっている。

そんななか、現地では“メスト・エジル待望論”が盛んに囁かれるようになってきた。開幕前に今季各コンペティションにおける登録メンバー外となった同選手だが、その創造性豊かなプレイこそ今のアーセナルには必要。このように主張する人は多く、先日は昨季一時的にチームの指揮を執ったフレドリック・ユングベリ氏も「今のアーセナルにはエジルが必要」と訴えている。1月には再登録が可能となるため、そこで彼をチームに戻すべき。そんな風潮は、日に日に高まっていると言っていい。

しかし、無闇にエジルを頼るのは危険。そう警鐘を鳴らすのは、英『Sky Sports』で解説員を務める元スコットランド代表MFグレアム・スーネス氏だ。これまで、ピッチ外での発言等でも世間を騒がせてきたエジル。そんな選手をいきなりスタメンに固定することになれば、チーム内には反発する選手も出てくる可能性があると同氏は次のように語る。

「アーセナルはエジルをチームに戻すべきだろうか? そんな議論が盛んになってきたが、彼を再びチームへ組み込むには優秀な管理者が必要だ。エジルを使いこなすのは、経験豊富な指揮官であっても難しい。彼は今のアーセナルの問題を解決するための能力を備えているが、アルテタが管理しきれるかどうかは微妙なところだね。エジル本人が良くても、ロッカールームに亀裂が入る可能性は低くない。他の何人かの選手は、彼を戻すことでアルテタを信頼しなくなるかもしれない。この決断は慎重に下さなければならないよ」

決してエジルの再登録に反対ではないが、アルテタ監督は慎重に決断すべきと話したスーネス氏。はたして、アーセナルにおけるエジルの未来は今後どのような展開を迎えていくこととなるのだろうか。これからの動向には注目だ。

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