イタリアで新たな中盤の才能が芽吹くときは近いのか。19歳のポーランド人MFに対する周囲の期待が高まってきている。
その19歳とはラツィオに所属するU-21ポーランド代表MFシモン・チェズ。聞き馴染みのない名前かもしれないが、それも無理はない。同選手は現地時間10月28日に行われたチャンピオンズリーグGL第2節のクラブ・ブルージュ戦でトップチームデビューを果たしたばかりの新星だ。
しかし、伊『calciomercato』はそんな19歳に大きな期待をかけている。実はこの若者、ポーランド国内では相当にその将来を嘱望されている選手なのだ。同国の名門レフ・ポズナンの下部組織時代から世代別代表に選出されてきたチェズ。背番号10を託されることも多々あり、常にポーランドにおける同世代選手のなかで中心的な存在として君臨してきた。同メディアによると、国内ではナポリで活躍するポーランド代表MFピオトル・ジエリンスキにも匹敵する才能の持ち主と評価される逸材なのだという。
まだデビューを果たしたばかりでベールに包まれている部分は多い。しかし、このクラブ・ブルージュ戦でチェズは可能性の一端を示したと言っていいだろう。途中投入だった関係もあり、本来であれば攻撃的なMFを主戦場とする彼は普段と異なるポジションでのプレイを強いられた。その影響もあってか巧みなボールタッチなどの特長こそ発揮できる場面はなかったが、出場した22分間でチェズは精力的にピッチを駆け回る姿勢を見せている。今後ボールタッチの機会が増えてくれば、“走れる司令塔”としてラツィオに大きな貢献を果たすこととなるかもしれない。『calciomercato』が期待するのは、彼のそういった意識の部分だ。
チームの勝利、そして自身が定位置を掴むためにハードワークを怠らない19歳の新星MF。ラツィオの中盤を支配するルイス・アルベルトはビルドアップや決定的なラストパスを得意とする選手なだけに、献身的なランニングでスペースに入り込む動きも期待できるチェズは将来的に彼のベストパートナーとなるだけの可能性を秘めているか。まだデビューしたての若手ではあるものの、イタリアでブレイクの予感を漂わせる19歳のプレイは要チェックだ。