プレミアトップレベルへ
昨季の終盤から、アーセナルはGK1番手争いの議論が大きな盛り上がりを見せた。
1番手を任されてきたベルント・レノが負傷離脱したところから、代役を務めた2番手GKエミリアーノ・マルティネスの評価が急上昇したからだ。
マルティネスは長らくアーセナルの控えGKだったが、控えとは思えぬパフォーマンスを継続して披露した。このままアーセナルの1番手を任せてもいいのではと考えたサポーターもいたはずだ。
しかしアーセナルはレノを選び、出場機会を求めたマルティネスは今夏にアストン・ヴィラへと去った。
では現在のアストン・ヴィラはどうなっているのか。アストン・ヴィラといえば4日にリヴァプールを7-2で粉砕したことが話題を呼んだが、実はそれ以前の2試合はともにクリーンシートを達成して白星を掴んでいる。ゴールを守っていたのはマルティネスだ。
開幕節ではシェフィールド・ユナイテッドを1-0、第2節ではフラムを3-0でシャットアウトと、マルティネスは新天地でも幸先の良いスタートを切っている。
出場試合数に違いがあるとはいえ、マルティネスは昨季の開幕からリーグ戦にて81.6%のセービング率を記録している。これは同期間ではプレミア最高の数字となっている(WhoScoredより)。
「コミュニティ・シールドで良いプレイをすれば、1番手になると思っていた。だけど、その後もリーグ戦での先発は不透明だった。アーセナルでの開幕節のフラム戦では95%の確率で先発だろうと言われたけど、なぜ100%じゃないのと思ったよ。何か違う感覚だった。みんな残って欲しがっていたけど、行くことを決めたんだ。怒りの感情はないよ。アーセナルでやったことを誇りに思う」
英『Independent』によると、マルティネスは以前このようにコメントしている。アーセナルでの生活は満足していたようだが、やはり選手は出場機会を求めるもの。ましてや結果を出したとなれば当然だ。
開幕3連勝と波に乗るアストン・ヴィラでは、マルティネスも貴重な戦力になっている。今季の活躍次第ではプレミアトップレベルのGKとの評価を確立できる可能性もあり、遅咲きながら28歳のGKが特別なシーズンを迎えている。