[MIXゾーン]川崎が見せる強者たる所以 内容悪くても3-0で完勝

見事に芯をとらえた山根のボレーで先制点を叩き出す photo/Getty Images

苦戦した前半に山根のボレーで先制点を奪う

 20日(日)に埼玉スタジアムでJ1第17節浦和×川崎が行なわれ、首位を独走する川崎が3-0で勝利し、またしても勝点、得点を積み上げた。とはいえ、この日の前半は少しリズムがおかしかった。中盤の深いポジションやサイドでボールを支配するものの、その後のパスワークにスピード感がなく、前線までなかなか効果的なパスが入っていなかった。

「(先制点を奪うまで)チャンスらしいチャンスがなかったです。対策はされていましたが、それはどの試合も同じで、ボクたちはそのうえで戦っています。相手がどうのよりも、自分たちがもっとやれたという感想です」

 これは小林悠のコメントだが、指揮官も同じ印象を抱いていた。鬼木達監督は試合後、「立ち上がりは思ったよりもプレッシャーを受けたのかなという印象です。ただ、実際には判断のスピードを上げるのと、ボールを丁寧に扱うというところだけでした。全員が丁寧にやれば、必ず崩せると思っていました」と語っている。

 迎えた37分、焦ることなく試合を進めていた川崎が先制点を奪った。中盤から大島僚太→脇坂泰斗→家長昭博とつなぎ、家長昭博が対峙するDFの頭上を越えるアイデア溢れる浮き球によるラストパスを送り、攻撃参加した右SBの山根視来が右足ボレーシュートでゴールネットを揺らした。前半につかんだ最初の決定機で(簡単な決定機ではなかったが……)、それをしっかりと仕留めるところに強者が強者たる所以が感じられた。

 後半立ち上がりの50分に小林悠が追加点を奪い、雌雄はほぼ決した。交代出場したレアンドロ・ダミアンによる3点目が生まれたのは90分を過ぎてからだったが、それ以前にも数回の決定的なチャンスがあり、より点差がついていてもおかしくない試合だった。「チャンスはもっとあって、ボクも3回くらいありました。しっかりと決めることでチームを助けることができます。選手一人一人が考えていると思いますが、3点では足りないです。もっと圧倒できるようにやっていきたいです」とは、先制点を決めた山根視来である。

 内容が多少悪くても、勝利を収める。リーグ戦に優勝することを考えると、これはとても大事なことだ。むしろ、こういった戦いができないと、勝点を積み重ねることはできない。そういった意味で、この日の川崎は前半立ち上がりからパスミスや判断の遅れがあってなかなかリズムを作れないなか、終わってみれば3-0の勝利を収めている。

「(立ち上がりから)飛ばしてきた相手に対して、しっかりと焦れずにやれたこと。前半をしっかりと戦えたことが、後半のプレイにつながったのだと思います」(鬼木達)

「前半はなかなか自分たちの距離間でできず、孤立しているときもありました。それでも3-0で勝っていることにチームの成長を感じます。優勝するようなチームは内容が悪くても勝っているので、こういう勝利が大事なのかなと思います」(小林悠)

 J1はまだ半分を終わったばかり。しかし、首位を独走する川崎の勢いは止まりそうにない。というか、このチームはどんどんレベルアップしている。圧倒的かつ安定感もある川崎が、勝点、得点をどこまで伸ばすのか──。J1優勝争いのこれからの見所は、そこだけになるかもしれない。

取材・文/飯塚健司

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