「選手たちにあまり多くの責任を感じさせないことが重要だったんだ。彼らに多くのプレッシャーがかかることを私は懸念していたのさ。本来は残留を目指すようなチームだったからね。でもいつの間にか我々はビッグクラブと対決することになっていたんだ。当初、我々は少しずつ目標を立ててシーズンを戦いたかった。最初は降格回避、次に欧州コンペティションへの参加、最後にタイトル争いというふうにしたよ。シーズンの最後までこの手法を実践していたね。選手たちのために優勝争いをドラマにはしたくなかったのさ」
当時ラニエリ監督は小さな目標を細かく設定し続けることで選手へのプレッシャーを軽減させるよう努めていたという。同時にそれは終盤戦の優勝がかかった時期にもうまく機能したか。よく目の前の一戦の積み重ねが大事と言うが、ラニエリ監督はシーズンを通してそれをきちんと実行できたようだ。
そして、同監督は選手もモチベーション管理の方法についても言及。目標を達成するごとに“ご褒美”を与えることで、彼は選手のやる気を引き出していたという。その例を一つ挙げ、68歳の老将は次のように続けた。
「リヴァプール、マンチェスター・シティ、アーセナルといった素晴らしいクラブとの3連戦を強いられた期間があったんだ。あの時、選手は冗談交じりに『この3連戦で獲得したポイントに応じて休暇をくれ』と言ってきてね。バーディなんかは9ポイント取ったら1週間オフにしてくれと求めてきたよ。そこで私は結局アーセナルに敗れてしまったけど、その後選手たちに1週間の休暇を与えたのさ」
シーズン終盤戦には少々オマケもつけていたという。人々はレスターのプレミア制覇を“ミラクル”と持て囃すが、その裏ではこういった指揮官の細かな気遣いが選手に活力を与えていたのだろう。中堅クラブを優勝へ導いたラニエリ監督のチームマネジメント。サッカー以外でもこれは参考にできそうだ。
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