もう昔のレアルじゃない 美しい銀河系から欧州屈指の“ファイター集団”へ

レアルの守備を束ねるラモスとヴァラン photo/Getty Images

どちらがアトレティコか分からぬ泥臭さ

近年のマドリード・ダービーといえば、 豪華な攻撃陣を抱えるレアル・ マドリードがボールを支配しながら攻め込み、それをディエゴ・ シメオネが作り上げた堅守のアトレティコ・ マドリードが粘り強くしのぐという構図になっていた。

今もレアルがボールを支配する部分は変わっていないが、粘り強さや泥臭さの部分には違いが出てきている。 1日に行われたマドリード・ ダービーでも効果的にボールを奪っていたのはレアルの方で、 1点のリードをしぶとく守る戦いで見事に勝ち点3を奪っている。 今のレアルは美しく勝つのではなく、 全員で粘り強く戦う集団へと変貌を遂げているのだ。

今回のマドリード・ダービーでもレアルは65% のポゼッション率を記録しながら、タックル成功数も20回を記録(『WhoScored』より)。リーガと世界を代表するファイター集団とのイメージが根付いているアトレティコの方がタックル数は18回と少なかったのだ。 ポゼッション率で60%を超えながらアトレティコより多くのタックルを記録したのは非常に印象的で、レアルの選手たちは最後まで足を止めなかった。

これは今回のゲームに限ったことではなく、1月26日のレアル・ バジャドリード戦でもレアルはポゼッション率62% と高い数字を維持しながらバジャドリードを上回る18回のタック ルを記録している。スコアもアトレティコ戦と同じ1- 0での勝利となっており、 チーム全員でのハードワークがクリーンシート連発に繋がっているのは間違いない。

リーグ戦では1月18日のセビージャ戦、 1月4日のヘタフェ戦でもタックル数で相手を上回っており、 レアルはまだ2020年のリーグ戦において相手よりタックル数で下回ったことはない。アンカーのカゼミロ、 インサイドハーフのフェデリコ・バルベルデはもちろんだが、 イスコやルカ・モドリッチ、トニ・クロース、 さらにはFWヴィニシウス・ ジュニオールといったアタッカーの守備意識も極めて高くなっている。 アトレティコ戦でレアルの選手が複数で相手を取り囲んでパスコースを潰してしまうシーンも何度かあり、 どちらがアトレティコか分からないような戦いぶりだった。

今季リーグ戦で13失点に抑えているレアルは1試合平均インター セプト数10.8回、1試合平均タックル数15.9回を記録しており、これは26失点と守備の整備に苦労しているライバル・ バルセロナの数字を上回る(1試合平均インターセプト数8. 9回、1試合平均タックル数14.4回)。プレイスタイルに違いはあるものの、 チーム全体で素早くボールを奪い返せていることもレアルの失点数が少ない要因の1つと言える。

また今年1月にサウジアラビアで開催されたスーペルコパ・デ・ エスパーニャでも、レアルの泥臭さは際立っていた。 準決勝のバレンシア戦こそ華麗なる勝利だったが、 決勝のアトレティコ戦は延長を含む120分間をスコアレスで終え ている。 しかも終盤にはGKとの1対1を迎えようとしていたアトレティコFWアルバロ・ モラタをレアルのMFバルベルデが後方から強引に倒して決定機を阻止。バルベルデにはレッドカードが提示されたが、 決定機を回避する戦略的なファウルだったと称賛を浴びた。 あのプレイにもレアルの泥臭い部分が出ていると言えよう。

前線と中盤の選手が守備に走れば、レアルはセルヒオ・ラモスとラファエル・ヴァランのワールドクラスDF2人をより活かすことができる。 今のレアルのプレス網をかいくぐるのは簡単なことではない。1試合で4点も5点も奪うようなゲームは少なくなってきているが 、今のレアルは1点あれば勝てるチームになってきている。

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