“カルレットの魔法”にかけられた点取り屋 22歳がプレミア後半戦を熱くする

アンチェロッティ 新監督の下で躍動するキャルバート・ルーウィン photo/Getty Images

「彼のアドバイスはかなり簡潔だった」

先月21日にカルロ・アンチェロッティ監督を招聘し新たなスタートを切ったエヴァートン。“カルレット”との愛称で親しまれるこの欧州屈指の曲者を迎え、今季低迷していた彼らはどう変わるか。

マルコ・シウバ前政権時から大きく変わった点と言えば3バックの採用か。これまで3バックを採用するイメージのあまりなかったアンチェロッティ監督だが、エヴァートンでは早々にこのシステムを取り入れた。まずは前政権の“負の遺産”とも言える守備の改善。そんな指揮官の気概が感じ取れるシステム変更だ。

しかし、アンチェロッティ監督が就任してから変わったのは何も守備面だけではない。この老将が指揮官の座に就いて以降、エヴァートンでは攻撃陣でも新たな才能が覚醒しようとしている。FWドミニク・キャルバート・ルーウィンだ。

2016年夏にシェフィールド・ユナイテッドからエヴァートンに加入したキャルバート・ルーウィン。かねてより期待をかけられており、これまでも出場機会はそれなりにあったものの、同選手はマージサイドでなかなかそのポテンシャルを発揮できないシーズンが続いていた。ところがアンチェロッティ監督が就任した途端にその得点力が開花。持ち前のポストプレイの強さやゴールへの嗅覚を存分に発揮し、最近4試合で3得点するなど大ブレイクの予感を漂わせている。

早くもキャルバート・ルーウィンとアンチェロッティ監督の間には強い絆が生まれているか photo/Getty Images

アンチェロッティ監督が到着してから殻を破った感のあるキャルバート・ルーウィン。一体、数々の修羅場を潜り抜けてきた名将はこの22歳にどのような魔法をかけたのか。英『talkSPORT』によると、それはとてもシンプルな声かけだったようだ。本来の調子を取り戻した舞台裏について、キャルバート・ルーウィンは次のように語っている。

「アンチェロッティは最初からとても親切な言葉をかけてくれたよ。僕はまだプレミアにおいて比較的若い選手だけど、彼の言葉を聞いてからピッチに立つと、いつもより大きくなった気がするんだ。彼のアドバイスはかなり簡潔だった。でもそれは僕の頭をシンプルにしてくれたのさ。だからそれ以降、僕はピッチの上でサッカーを楽しむことができたんだ」

「今は相手CBの間にポジションを取ることを心がけているよ。ゴールを決めるため、バイタルエリアやボックス内に侵入することにフォーカスしている。以前の僕はあちこちを彷徨っていて、ゴールスコアラーとして相手の脅威とはなっていなかったんだ」

アンチェロッティ監督はキャルバート・ルーウィンに難しいことは求めず、シンプルにストライカーとしての役割を果たすようアドバイスしたという。M・シウバ監督の下では味方を活かそうとするあまり、自身のプレイゾーンを狭めてしまう印象のあった同選手。しかし、本来の役割を再認識したことが今の好調につながっているようだ。

老将の下で覚醒しつつあるキャルバート・ルーウィン。はたして、この22歳は今季どこまでその得点数を伸ばしてくるか。“カルレットの魔法”にかけられたエヴァートンのNEWヒーローからは今後も目が離せない。

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