まさかのベリンガム外し、グリーリッシュ復帰案など、英記者陣の選んだイングランド代表W杯メンバーとは「ベリンガムを外すのが一番の近道」
イングランド代表でベリンガムの立場は怪しいものとなっている photo/Getty Images
メンバーが豪華すぎて選考が難しい
2026W杯欧州予選を全勝で突破したイングランド代表は、優勝候補の一角に挙げられるタレント集団だ。2チーム作れるのではと思うほど選手層は厚く、W杯本番へ誰を選ぼうか指揮官トーマス・トゥヘルも頭を悩ませるだろう。
英『Daily Mail』では、記者陣が独自にW杯メンバーを選出。各記者の好みが出ているが、なかなか面白い選出となっている。
まずオリバー・ホルト記者は、ウェストハムFWジャック・ボーウェンを外し、エヴァートンで復調するMFジャック・グリーリッシュを選ぶべきと主張。グリーリッシュは昨年10月が最後の代表戦となっていて、今のところトゥヘルの構想には入っていない。しかし左サイドから仕掛ける独特のドリブルは成功率も高く、マーカス・ラッシュフォードとはタイプの異なる面白い存在だ。
次にイアン・レディマン記者は、経験豊富なマンチェスター・ユナイテッドDFハリー・マグワイアを選出。トゥヘルはニューカッスルの大型DFダン・バーンを継続的に招集しているが、セットプレイでも計算できる大型選手が数枚は欲しい。トゥヘルは今月の代表戦でレヴァークーゼンDFジャレル・クアンサーをデビューさせたが、同記者はクアンサーを選ぶくらいならセットプレイに強いマグワイアを選んだ方がいいとの考えを示している。マグワイアは昨年9月以降代表から離れているが、全てはマンUでのアピール次第だ。
最後にグレイグ・ホープ記者の選出で面白いのは、まさかのMFジュード・ベリンガム外しだ。順調に進んだ欧州予選において、唯一と言っていい問題となったのがトゥヘルとベリンガムの関係だ。今月のアルバニア戦でも途中交代の指示にベリンガムは不満げな仕草をしていたが、同記者はベリンガムの個性が強すぎると指摘する。
「ベリンガムを外すのが一番の近道だ。アルバニア戦でも見せた彼の不機嫌ぶりは、代表を後退させるものになる。W杯の期間中、そのような混乱を招くリスクを取れるだろうか?ベリンガムがいなくとも、イングランドには勝ち抜くだけの選手がいる」
アルバニア戦の3日前に行われたセルビア戦ではベリンガムがベンチスタートとなっており、トゥヘルの中でベリンガムが絶対の戦力になっていないのは明らかだ。同記者は代わりにアーセナルで将来が期待されている15歳MFマックス・ダウマンをサプライズ枠として選んでいる。
また3人に共通しているのは、負傷離脱中のチェルシーMFコール・パルマーをメンバーに入れていること、右サイドバックにはレアル・マドリードDFトレント・アレクサンダー・アーノルドを希望していることだ。
パルマーがトップ下で計算できるなら、モーガン・ロジャースの存在を含めベリンガムの立場はさらに怪しいものとなる。パルマーが来夏までにコンディションを上げられるならば、トップ下はパルマーでもいいだろう。
アーノルドも怪我があったが、高精度な右足は健在だ。セットプレイで高さを活かすうえでもアーノルドのキックは武器となるため、少なくともベンチには入れておきたい選手の1人と言える。
タレントが豪華すぎるがゆえに、サポーターの間でもメンバー選考は意見が分かれるだろう。まずはクラブで各選手アピールしてくしかないが、W杯メンバー争いのサバイバルを制するのは誰か。