コンパニ体制でバイエルンは“走る集団”に変わった スプリント数&走行距離がリーグ1位の王者の強みと気になるガス欠の不安

昨季ブンデスリーガのタイトルを取り戻したバイエルン photo/Getty Images

このペースが終盤まで続くのか不安も

ヴァンサン・コンパニの下で昨季はブンデスリーガのタイトルを奪還し、今季も開幕から全勝スタートと波に乗る王者バイエルン。いったいコンパニはバイエルンの何を変えたのだろうか。

独『Bild』が何より印象的な数字として取り上げるのは、バイエルンの選手たちに徹底されているハードワークだ。

今季ここまでリーグ最高となる平均ポゼッション率58%を記録する一方で、バイエルンはチーム走行距離がリーグ最多736.3km、チーム総スプリント回数1112回もリーグトップとなっている。

リーグタイトルをレヴァークーゼンに奪われた2023-24シーズンの数字と比較してみると、当時のバイエルンはチーム走行距離がリーグワーストとなる3471.7km、チーム総スプリント数は全体14位となる6990回に留まっていた。当時のチームに比べ、コンパニが選手たちにハードワークを要求しているのは明らかだ。

少々面白いのは、選手個々のトップスピードはそれほど印象的ではないということだ。今季ここまでのブンデスリーガ・スピードランキングを見ると、バイエルンの選手はTOP50に1人も入っていない。最高位は51位に入ったDFヨシプ・スタニシッチの34.12km/hとなっていて、決してスピードで相手を圧倒しているわけではない。これはレロイ・サネの退団、左SBアルフォンソ・デイビスの負傷離脱も関係しているだろう。

同メディアは「特に速いわけではないが、とにかくたくさん走っている」と現体制の特長を伝えている。

問題は、この運動量がシーズン終盤まで続くかどうかだ。今季のバイエルンはチャンピオンズリーグでも格下のパフォス戦で121kmの走行距離を記録し、パフォスの113kmを大きく上回っていた。これについて解説を務めるディートマー・ハマン氏は「体力が必要なのは春だが、このような不必要と思えるハードワークは最終的に残酷な結果を招く可能性がある」と警告も発していた。

怪我人も出て選手層に不安がある中、シーズン終盤にガス欠を起こさないかは気になるポイントか。



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