ビッグマッチで注目される“ングモハvsダウマン” 成熟したアカデミーシステムが生み出した「新たな波」

17歳になったばかりのングモハ Photo/Getty Images

続きを見る

少年とは思えぬ成熟度

プレミアリーグ第3節リヴァプールvsアーセナルは、昨季首位と2位の直接対決であり、プレミアリーグ前半戦最大のビッグマッチのひとつと言っていい。

やや守備に難があるように思えるリヴァプールをアーセナルが得意のセットプレイで破るか、あるいはリヴァプールが新加入のフロリアン・ヴィルツやウーゴ・エキティケをアーセナルの堅牢な守備にどう対峙させるかなど、注目のポイントは多い。

そしてプレミアリーグのファンであれば、両チームに注目すべき若者がいることも知っているはずだ。リヴァプールの17歳リオ・ングモハ、アーセナルの15歳マックス・ダウマンだ。
まだ少年といえる年齢でありながら、両者はすでにプレミアリーグで結果を出している。ングモハは第2節ニューカッスル戦で劇的な決勝ゴールを奪い、ダウマンは同じく第2節のリーズ・ユナイテッド戦でダメ押しの5点目につながるPKを獲得した。この両者がビッグマッチでまたも結果を出すのか、早熟の少年たちの対決もおおいに注目を集めるところだ。

17歳でデビューしたマンチェスター・ユナイテッドのジョージ・ベストをはじめ、イングランドではしばしば早熟の天才たちが出現してきた。ニューカッスルで17歳でデビューしたポール・ガスコイン、エヴァートンで16歳でデビューしたウェイン・ルーニー、リーズで16歳でデビューしたジェイムズ・ミルナーなどだ。しかし彼らはアカデミーのシステムのおかげというよりは、純粋な才能の力でトップチームに押し入ってきた若者たちだった。

現在のアカデミーのシステムはより洗練されており、それが「早熟の新たな波」を生み出していると『The Observer』はレポートしている。少年の世界から大人の世界へスムーズに移行するための技術的能力だけでなく、人間的な成熟を身につけさせ、ボールの保持や戦術的理解と同じくらい教育と人間的な成長に重点が置かれるようになっているという。

ングモハやダウマンは、そういった時代の「果実」なのだ。両者とも浮ついたところはなく、シニアチームの選手を向こうに回して実に堂々としている。まだ少年とはいえエリート教育によって成熟しており、チームに馴染むのが早い。そしてプレミアリーグでも冷静にプレイができている。監督も彼らが準備できていることをわかっており、だからこそ積極的に起用ができる。

アカデミーシステムの成熟は経済的なメリットももたらしているようだ。ファーストチームで活躍できる若手選手が市場に流入するケースが増えており、『Transfermarkt』によると、プレミアリーグのアカデミーは2020年以降、19億ポンドもの売り上げを上げているという。ングモハはチェルシーのアカデミー出身だが、チェルシーのアカデミーは3億6500万ポンドというトップの売り上げを記録している。

「新たな波」の先鋒となっているングモハやダウマン。彼らに続くような若手たちが、これから続々と登場する時代になっていきそうだ。


記事一覧(新着順)

電子マガジン「ザ・ワールド」No.308 超ベテランの最終章

雑誌の詳細を見る

注目キーワード

CATEGORY:海外サッカー

注目タグ一覧

人気記事ランキング

LIFESTYLE

INFORMATION

記事アーカイブ