ベスト16の壁こそ破れずにいたが、1994年のワールドカップ・アメリカ大会から7大会連続でベスト16進出を決めてきたメキシコ代表。それが途切れてしまったのが前回のカタール大会だ。
やや世代交代に失敗した印象もあり、メキシコはカタールの地で1勝1分1敗の成績でグループステージ敗退となった。また近年はアメリカ、カナダが力をつけており、カタール大会へ向けた北中米予選でも両チームに後れを取ることがあった。
メキシコの状態はあまり良いとは言えず、2026年の北中米大会へ不安があった。それを救うべく立ち上がったのは、ベテラン指揮官ハビエル・アギーレだ。
2024年7月にメキシコ代表は監督交代へ動き、アギーレが就任。アギーレはこれが3度目となるメキシコ代表監督就任であり、国を代表する名将の下で2026ワールドカップを戦うことになる。
その成果はさっそく出ており、3月に行われたCONCACAFネーションズリーグでは準決勝でカナダ(2-0)、決勝ではパナマ(2-1)を撃破してタイトルを獲得。ネーションズリーグの重要性はさておき、ひとまず自信にはなったはずだ。
決勝のパナマ戦でもピッチに立ったミランFWサンティアゴ・ヒメネスは、アギーレがメキシコサッカーのプライドを取り戻そうとしていると語っている。
「監督は、美しくプレイすることには関心がないと僕たちに言ってきた。彼は選手たちにメキシコのDNAを取り戻そうとしたんだ。代表チームに合流した当初からそれを僕たちに伝えてくれた。そのおかげで、代表チームのために全力を尽くしたいとの気持ちにさせてくれるんだ」(『TV Azteca Deportes』より)。
ヒメネスはメキシコ代表で通算34戦4ゴールと思うような結果が出ていないが、実力的には攻撃陣のキーマンだ。アギーレは今回のネーションズリーグでフラムFWラウール・ヒメネスとミランのサンティアゴ・ヒメネスに2トップを組ませていて、このヒメネスコンビは代表のカギを握る。
チーム全員でハードワークし、泥臭くヒメネスコンビで仕留めていく。それが2026ワールドカップへの戦い方となりそうだが、メキシコは北中米大会でどこまで勝ち進めるだろうか。