まだ今季のラ・リーガは13試合を消化した段階だが、すでにバルセロナでは15人の選手がネットを揺らしている。DFロナルド・アラウホ、ジュール・クンデといった守備の選手から、カンテラから上がってきた17歳のFWマルク・ギウなど実にバラエティ豊富な序盤戦だ。
得点を奪える選手が複数いることはポジティブだが、不安要素もある。7ゴールを挙げているFWロベルト・レヴァンドフスキを除くと、他のアタッカーの得点ペースが伸びてこないのだ。
ここまでFWフェラン・トーレスが3ゴール、ハフィーニャは2ゴール、16歳と若いラミン・ヤマル、アトレティコ・マドリードからレンタルで加わっているジョアン・フェリックスが1ゴールと、主にワイドな位置でプレイしているアタッカーの数字が寂しい。
現代の強いチームは得点力の高いウイングを抱えていることが多く、現代サッカーに欠かせないピースでもある。それが今のバルセロナにはないとも言える。
右から仕掛けるヤマルは突破力にも期待できるが、ドリブラーと呼べる選手が少ないのも気がかりか。今夏にはウスマン・デンベレがパリ・サンジェルマンへ向かい、サイドからの仕掛けを得意としていた21歳のモロッコ代表FWアブデ・エザルズーリもレアル・ベティスに売却している。
デンベレも好不調の波が激しい選手ではあったが、昨季もリーグ戦で7アシスト、一昨季は13アシストを決めているチャンスメイカーだ。デンベレのように突破力のある選手は、最前線に位置するレヴァンドフスキへチャンスボールを供給する役割でも期待できる。
先日行われたラ・リーガ第13節のアラベス戦ではパスを出さずにシュートを選択したヤマルに対し、レヴァンドフスキがハイタッチしないなんてシーンもあり、関係悪化説まで浮上した。ヤマルもまだ若い選手で、レヴァンドフスキとの関係が完成しているわけではない。サイドから崩してレヴァンドフスキへどうチャンスボールを提供していくかは、今後のバルセロナの課題とも言えそうだ。
最近はライバルのレアル・マドリードに1-2で敗れるなど、やや得点力不足の感覚もある。ゴールゲッターとして計算できるのがレヴァンドフスキのみというのは苦しいが、指揮官シャビ・エルナンデスは攻撃の最適解を見つけられるか。