超タレント集団・フランス代表に“31歳”の新戦力 クンデ、パヴァールに代わる攻撃的右サイドバック誕生

フランス代表でアピール続けるクラウス photo/Getty Images

これまでの右SBは守備的な選手が多かった

2018年のワールドカップ・ロシア大会を制し、昨年のカタール大会では準優勝の成績を収めるなど、近年のサッカー界をリードしてきたフランス代表。

各ポジションにワールドクラスのプレイヤーを抱える超タレント集団ではあるが、やや物足りなかったポジションの1つが右サイドバックだ。

2018年のロシア大会ではDFバンジャマン・パヴァールが担当していたが、パヴァールはセンターバックをこなしてきた選手だ。サイドバックもこなせるが、攻撃より守備に強みを持つ選手だ。
それはバルセロナDFジュール・クンデも同じで、フランスには攻撃的な右サイドバックの選択肢が限られていた。

そこに出てきたのがマルセイユMFジョナサン・クラウス(31)だ。

クラウスは昨年に代表デビューした遅咲きの右サイドハーフだが、なかなか代表に定着できなかった。しかし、昨季はマルセイユでリーグ戦2ゴール9アシストと躍動。その活躍もあり、代表監督ディディエ・デシャンは今月の代表戦にクラウスを招集していた。

任されたポジションは、右のサイドバックだ。昨季まではマルセイユでもサイドハーフに入る機会が多かったが、今季はサイドバックでのプレイが増えている。そこにデシャンが目をつけたのだろう。

クラウスもその期待に応え、13日に行われたオランダ代表とのEURO2024予選ではアシストを記録。このクラウスがもたらす攻撃性に、パリ・サンジェルマンなどで活躍した元フランス代表MFジェローム・ロタン氏も喜びを示している。

「サイドバックが攻撃的にプレイできるのは何と嬉しいことだろう。もうクンデのバックパスに耐えられなかったからね」

同じく元フランス代表のクリストフ・デュガリー氏も、クラウスの攻撃力を称える。

「アタッカーにとって、良いボールを提供してくれるサイドバックの存在ほどありがたいものはない。そうした選手がいるのは幸運だよ。デンベレやコマンがクンデと一緒にプレイしているのを見たとき、個人的には残念に思った。デシャンがどうして右サイドバックにクンデが適任だと考えたのか私には理解できない」(仏『RMC Sport』)より。

9月25日に31歳の誕生日を迎えたクラウス。30代に入ってからサイドバッグとして花開き、代表入りというのも珍しいシナリオか。上手くいけば来夏のEURO2024でも主力になれる可能性があり、フランスに新たな武器が加わろうとしている。

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