今夏にFWハリー・ケインをバイエルンへと売却したトッテナム。スーパーエースを失ったダメージは大きく、攻撃陣再編は難しいミッションになると思われた。
しかし、今季より指揮官に就任したアンジェ・ポステコグルーの下で早くも攻撃の形は見えてきている。
24日にはプレミアリーグ第6節でライバルのアーセナルとノース・ロンドン・ダービーを戦ったが、敵地で2-2のドローに持ち込んだ。
『ESPN』が称えるのは、アーセナルを苦しめたMFジェイムズ・マディソンとFWソン・フンミンのコンビだ。ソン・フンミンはケインと抜群のコンビネーションを見せていたが、早くもマディソンとの新たな連携が完成しつつある。ポステコグルーはソン・フンミンをセンターフォワードに配することも多く、その背後に位置するマディソンとの連携は新生・トッテナムの武器となっている。
マディソンも中盤のあらゆるところに顔を出しており、そこからボールを前線へ展開する術に長けている。レスター・シティから獲得したのは大正解だったと言える。
右のワイドに位置するデヤン・クルゼフスキはボールを収めることができ、運動量も抜群。アーセナル戦で左ウイングに入った新戦力のブレナン・ジョンソンはスピードがあり、今夏にシャフタール・ドネツクから獲得した24歳のイスラエル代表MFマノー・ソロモンもサイドからの仕掛けを得意としている選手だ。
昨季プレミアで1ゴールと苦悩したFWリシャルリソンはまだ完全フィットとは言えないが、今季はすでに1ゴール決めている。ブラジル代表にも選ばれる実力者なだけに、ポステコグルーの指導で化ける可能性は十分にある。
左サイドを駆け上がってくるサイドバックのデスティニー・ウドジェ、中盤でダイナミックな動きを見せるイヴ・ビスマ、パペ・マタル・サールも馬力があり、彼らの攻撃参加もトッテナムの攻撃を加速させる。これも昨季にはなかった武器だ。
ソン・フンミン&マディソンを軸に攻撃の形が見えてきたトッテナムは、ここまでケインの穴を感じさせないパフォーマンスを見せている。未だに4勝2分と負けなしを続けており、昨季優勝争いに絡んでいたライバルのアーセナル相手に引き分けたことは1つの自信となったはず。
まだ序盤の段階ではあるが、ポステコグルーの手によってスパーズはポジティブな方向へ変わり始めており、新生・攻撃陣はかなり強力なものとなるかもしれない。