オフ・ザ・ピッチの流儀 #1 家長昭博 「初めてディズニーシーへ子供と オレでも楽しめるんやなって(笑)」

武蔵小杉のFRO CAFEにて photo/theWORLD

 普段、ピッチを主戦場とするサッカー選手。しかし、サッカー選手の生活はピッチの上だけではない。ピッチの外、つまり“ オフ・ザ・ピッチ”もサッカー選手にとっては大事な部分。ピッチでの活躍に注目が集まるサッカー選手たちのライフスタイルを掘り下げる不定期連載「オフ・ザ・ピッチの流儀」では、知られざるフットボーラーたちの横顔に迫る。

 記念すべき第1弾は、川崎フロンターレに所属するMF家長昭博だ。プロキャリア19年目を迎えた家長。あまり私生活がクローズアップされることがない同選手だが、彼のオフ・ザ・ピッチはどんな景色だろう。

─戦いが続くサッカー選手にとって、オフの時間は大事ですよね。シーズン中のオフは、どういうことに気をつけて過ごしていますか?
「試合のサイクルによって、オフの過ごし方は変わりますね。過密日程のときは、オフがあっても3日後には試合があります。ただ、1週間に1試合のときは、オフがあればゆっくりできますね。サッカー選手は拘束時間は短いんですけど、意外とオフ自体はそんなになくて……。家族の用事とか、やらなくちゃいけないことをその日にまとめて、オフが終わることが多いです。子供も3人いますからね」

─ACLやカップ戦などがあると、1週間で複数試合こなすときもあると思います。過密日程の中で気を付けていることはありますか?

「日程が過密になると、食事と睡眠には特に気をつけています。日ごろからちゃんと寝るようにはしていますけど、余計に寝ますね。食事に関しては、普段からあまり量は食べないですけど、だからこそ食べるものには工夫します。疲労回復にいいものを食べて、よく寝ることを心がけていますよ」

─普段から食事に気をつけているとのことですが、オフシーズンのときの食事はどうしていますか?

「いや、オフのときは食事に気をつけるというよりも体重ですかね。体重は必ず毎日測ります。何キロまで行ったら落とさなあかんなとか、1キロ単位で管理してします。食べるときは食べるんですけど、その分、次の日は落とすための食事に変えたりしますね」

─オフの日によくすることや、リフレッシュのためにすることはあリますか?

「サッカー選手は平日が休みとなることが多いので、(子供たちは)学校行ってたりします。なので、ハマってることではないかもしれませんが、家族でご飯に行くことですかね。サウナにハマってた時期もありましたよ。最近は暑すぎて行ってないんですけど……(笑)。サウナは精神にいい。ストレスとか溜まるとサウナに行くのがいいと聞いたので、行くようになりました。サウナは週1ぐらいで通うのがベストですかね」

─オフの日はサッカーから完全に離れるタイプですか?

「肉体的には離れますけど、精神的には離れません。オフでも疲れてるときはケアをしますし、身体の状態によってはトレーニングに行くときもあります。ピッチでパフォーマンスを発揮するためには、身体のケアとリフレッシュが大事だと思います。人それぞれ違うと思いますけどね。オレの場合、どちらかといえばオフは完全にサッカーから離れて、休むときは休みたいと思うタイプですかね」

─サッカー選手は移動も大変だと思います。新幹線や飛行機など、移動の際は何をして過ごしていますか?

「『Netflix』をみたり、本を読んだりしていますよ。解剖学者の養老孟司先生の本が好きで。『Netflix』は若手に面白そうなのを聞いて見ていますね。話題にもなりますし、若い選手たちとのコミュニケーションにもなります。最近は勧められて『バチェラー』を見ましたよ。試合前のスタジアムに向かうときは、矢沢永吉さんの音楽を聴いてテンションを上げています」

─多くの方から“見られる職業”でもあるサッカー選手。普段の服装で気をつけていることや、ファッションの好みはありますか?

「普段の服装で気をつけていることは、やっぱりTPOですかね。その場にふさわしいかどうかを考えますし、比較的シンプルな服装が好きです。今日は派手な柄のパンツを穿いていますけど(笑)。ゆったりしたサイズ感が楽だし、好きですね」

─若いころにファッションに関して影響を受けた人はいますか?

「播戸さん(播戸竜二)かな。ファッションというよりも、『練習場にスウェットでくるな』とか、『ネクタイはこうやって締めるんや』とか結構言ってくれました。『こういうときにこの服装はあかんねや』とか。播戸さんの影響は受けたかもしれないですね」

─ということは、練習場に行くときの服装は気にしているんですか?

「1週間、大体同じズボンを穿きますよ(笑)。基本的には上だけ変えてコーディネートするようにしています。1週間経ったらズボンも変えます。今日穿いてきたのは3日目くらいかな。気にしているというか、めんどくさいからズボンは大体一緒なんですよ」

─奥さまがモデルということもあり、ファッションについて聞いたりしますか?

「服装を決めてもらったり、アドバイスをもらったりもしますよ。毎日聞くわけではないですけど、自分で今日の服装はおかしいかなって思うときは、『今日これおかしい?』って聞きますね。おかしいって言われたら変えるようにしています」

─チームメイトとファッションの話とかはしますか?

「若い選手とはたまにあるかな。宮代大聖とか。この前、買い物したときは大聖と山田新の3人で行きましたよ。服に全く興味がないサッカー選手はいないんじゃないですかね。基本、服の情報はSNSから得ることが多いです。いま、家にテレビがないんでね。1年半前くらいにいらないかなと思って捨てちゃいました(笑)」

─ここからはサッカーに関しても少し聞いていきたいと思います。川崎フロンターレで印象に残っているゲームはありますか?

「いっぱいありますけど、個人的に印象に残ってる試合は、移籍してきた最初の試合。2017年のNACK5スタジアム大宮での大宮戦です。大宮から移籍してきて、1試合目でしたからね。『こんなことあるんや』っていう……、縁を感じましたね。組まれたのかもしれないけど(笑)。チームとして印象に残ってる試合もたくさんありますけど、やはり初優勝した試合は映像で使われることが多くて、何回も見るからよく覚えていますよ。最終節がホームで、対戦相手はそのときも大宮でした。これもたまたまですけど」

─試合では左手にテーピングを巻いていますが、あれはどういう意味があるのでしょうか?

「あまり意味はないんですよ。強いて言うなら、ここが締まってる方が感覚的にいいからですかね。フィジカル的な側面から見ると、あまりやらない方がいいみたいですけど(笑)。でもオレは左手にしてる、大きな意味はないんですけどね」

─これまですごいと感じた選手や、自分にないものを持っていて羨ましく感じた選手はいますか?

「サッカー選手って全員すごいところがあって、どこか飛び抜けている人たちばかり。対戦相手はあまり見てないからわからないですけど、自分になくて羨ましい部分を持つ選手は高井(高井幸大)ですかね。身長が高い。スポーツにおいて、身長は一つの才能なんですよ。そこはもう伸ばせないですし、彼があの身長で今からどうにでもなれるっているのは羨ましい。本人にも言っていますけど、すごい選手になってほしいですね」

─最後に、普段は聞けないようなプライベートなことをお尋ねします。娘さんや奥さんと2人でデートするならどこへ行きたいですか?

「長女は、まだ4歳やからなぁ。でも、こないだ初めてディズニーシーに行きました。初めてでしたけど、行ってみたら結構楽しかったです。子供が楽しんでる姿を見られたり、自分も意外に楽しめるんやって思いました。ちゃんと被り物もかぶって、娘の前でカチューシャを初めて着けました。ディズニーへ遊びに行くサッカー選手は結構多いらしいですけど、理由がわかりましたよ。奥さんと行くなら、韓国とスペイン、大分や大宮も。やっぱり昔住んでいましたからね。過去に住んでた場所で、サッカーをしていたときには行けなかった場所に2人で行きたいです」

─将来の夢はありますか?

「“将来の夢”って難しいな。奇跡的にサッカーという夢中になれるものに出会えましたからね。サッカーの他に夢中になれるものを、今から探したいです」

流儀その1:家族サービスはしっかりやるべし!
流儀その2:サウナへは週1で通うべし!
流儀その3:ディズニーのカチューシャは恥ずかしがらず着けるべし!

電子マガジンtheWORLD(ザ・ワールド)285号、9月15日配信の記事より転載

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