世界を魅了したなでしこジャパンも危険? 女子W杯で見えたアジアの立ち位置「パワーバランスが欧州側に傾いている」

なでしこジャパンはベスト8まで駒を進めた photo/Getty Images

日本と豪州以外は厳しい結果に

7月20日から1カ月間行われたFIFA女子ワールドカップ2023は、なでしこジャパンにとって充実した大会となった。惜しくもベスト8敗退に終わったが、最終的に優勝したスペインをグループステージで4-0と粉砕するなど、日本らしいサッカーは展開できていた。

だが、アジア全体で見るとどうだろうか。開催国オーストラリアがベスト4まで進むなど良い部分もあったが、全体的には欧州勢との差を感じさせられる大会となってしまった。

英『The Guardian』も、日本とオーストラリアを除くアジア勢は酷い出来だったと振り返る。
アジアからは日本、オーストラリア、韓国、中国、フィリピン、ベトナムの6チームが参加したが、決勝トーナメントに進んだのは日本とオーストラリアだけだ。

「オーストラリアと日本の成績を除くと、アジア勢の成績はわずか2勝1分9敗という憂慮すべき数字になる。さらに懸念されるのは、この4チームの12試合でアジア勢がわずか4ゴールしか挙げられず、31失点も喫したということだ。ベトナム、フィリピン、中国は大会でもかなり酷い負け方をしている」

「今大会の結果は、パワーバランスが完全に欧州側に傾いていることを示唆している。FIFAの最新ランキングでは、トップ10内に日本の1チームしか入っていない」

アジアでは2024-25シーズンより女子アジア・チャンピオンズリーグを開催していく予定となっているが、同メディアはこのまま放置すれば欧州勢との差が広がるばかりと指摘しており、今大会で一定の結果を出した日本とオーストラリアも国内リーグの整備が欠かせないのだ。そこに力を入れなければ、今回優勝したスペインや準優勝のイングランドといった欧州勢に歯が立たなくなる時がきてしまうかもしれない。

日本のベスト8、オーストラリアのベスト4には一定の手応えがあったものの、やや焦りを覚える大会になったと言えるか。

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