三笘は香川真司、本田圭佑をも超えるか 圧倒的な1対1の強さに見る“日本史上最高アタッカー”の可能性

ブライトンで存在感を増す三笘 photo/Getty Images

1対1の強さはすでにワールドクラス

三笘薫は日本史上最高のアタッカーになるかもしれない。

ブライトンで試合を重ねるごとに評価を上げる三笘に対し、そんな感覚を抱き始めた日本のサッカーファンも少なくないだろう。

三笘の所属するブライトンは3日にプレミアリーグ第19節でエヴァートンと対戦し、4-1で快勝を収めた。その先制点を決めたのが三笘だ。
先発の機会が増えてきた三笘は14分、サイドチェンジのボールを受けたところから一気に加速。対峙する相手DFが目測を誤ったところがあり、その隙を見逃さなかった三笘がファーストタッチで一気に前へ出たのだ。

ペナルティエリアへ侵入した三笘は軽いキックフェイントを交えて飛び込んできた2人目のDFもかわし、最後は冷静なフィニッシュで今季リーグ戦3ゴール目をゲットした。

このプレイに地元メディア『Sussex Live』は「今季アメックス・スタジアムで多大なる影響を与えてきた三笘による信じられないファーストタッチ、そこからの冷静なフィニッシュだった」と絶賛。ファーストタッチからフィニッシュまで文句のつけようもないパーフェクトプレイだったと言える。

これまでも香川真司や本田圭佑など世界で活躍してきた日本人選手はいるが、三笘の特長は過去の日本人アタッカーとは少々異なる。1対1の強さはすでにワールドクラスの領域にあり、プレミアのDFも1対1の対応に手を焼いている。サイドを突破してクロスを上げるだけでなく、三笘の場合は相手のサイドバックを完全に抜き去って中へ抉ってくるドリブルもある。これが出来るアタッカーは一握りだ。

テクニックではドルトムント、マンチェスター・ユナイテッドで活躍した香川も異常なレベルにあったが、三笘のインパクトも負けてはいないか。狭いエリアでのタッチやチャンスメイクへ繋げるゲームビジョンは香川に軍配が上がるかもしれないが、長い距離を突破するスプリントは三笘が上だろう。得点力の部分も着実に向上しており、オフ・ザ・ボールの動きも磨けば得点量産の可能性が出てくる。

また三笘の場合は守備も上手い。ここまで1試合平均1.3回、合計20回のタックル成功数を記録しており、昨年のFIFAワールドカップ・カタール大会でも示したように守備の1対1も読みが鋭い。現代サッカーでは守備力もアタッカーに求められる要素であり、三笘はこれを備えている。

まだまだ三笘の欧州キャリアは始まったばかりで、日本史上最高との話をするには早すぎるかもしれない。より大きなクラブへ向かい、チャンピオンズリーグでの活躍も必要となるだろう。しかし日本史上最高アタッカーになる可能性は十分すぎるほどに秘めており、日本サッカー界に新たなスターが誕生した(データは『WhoScored』より)。

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