今季ブンデスで唯一直接FKから2得点を挙げているのは日本人 本田、遠藤ら“キックの名手”に鎌田大地は続けるか

セットプレイのキッカーとして才能を開花させつつある鎌田大地 photo/Getty images

精度の高いキックで2ゴール挙げている

23日にアメリカ代表との親善試合に臨む日本代表。メンバーは海外組が多くを占めており、各国のリーグ戦を経てドイツのデュッセルドルフに集まることになる。その中で最も好調を維持しサムライブルーに合流するのはフランクフルトの鎌田大地で間違いないだろう。

昨季はELを制し夏の移籍市場ではステップアップが噂されるも残留した鎌田。元ドイツ代表MFマリオ・ゲッツェの加入もあってポジションが危ぶまれるといわれていたが、リーグ戦では開幕から6試合に出場して4ゴール2アシストを記録。カップ戦でもゴールを決めており、今季すでに6得点を挙げている。ブンデスリーガの得点ランキングでは3位となっており、バイエルン・ミュンヘンのジャマル・ムシアラやライプツィヒのクリストファー・エンクンクらと並んでいる。

日本代表ではトップ下やインサイドハーフで起用されるだろう。敵陣でフリーなポジションを見つけるのが上手く、高いキープ力を生かして相手に寄せられながらも時間を作ることができる。ワールドカップ本戦では押し込まれることが予想される森保ジャパンとしては単独で味方の押し上げを待てる選手がいるだけで、攻撃に厚みが出る。このポジションはレアル・ソシエダの久保建英も好調を維持しており、楽しみな2人が代表では共にプレイすることになる。
そんな鎌田だが、シュツットガルト戦、ケルン戦で直接フリーキックを沈めている。今季始まってあまり時間は経っていないが、すでに2本のFKを沈めている。とくにケルン戦のゴールは美しく、難易度の高い場所からのシュートを決めている。

過去の日本代表には本田圭佑や遠藤保仁、中村俊輔、中田英寿とキックの名手がいた。しかし彼らがサムライブルーから去った今、これといったキッカーはいない。現在は伊東純也や久保らが務めているが、相手の脅威にはなり得ていない。

であれば好調を維持し感覚を掴んでいる鎌田に任せるのも一つの手だろう。この短期間に2つのゴールをFKから上げており、ブンデスでは鎌田のみだ。5大リーグに視野を広げると、ユヴェントスのドゥシャン・ヴラホビッチがFKから2ゴール決めており、鎌田が唯一無二ではなかったが、それでも凄いことだ。

本田のブレ球、遠藤のコントロールシュートと鎌田のFKに代名詞となるものは生まれていないが、今後蹴る回数が増えれば自ずとつけられていくに違いない。アジア最終予選では出番を失いかけていたが、実力でポジションを取り戻しており、W杯でもサムライブルーをけん引する存在になるのだろうか。

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