バイエルンとリヴァプール。両クラブの立ち上がりは対照的なものとなった。両クラブを巡るキーワードは、FWサディオ・マネだ。
マネは今夏にリヴァプールを離れ、バイエルンへ移籍。マネはモハメド・サラー、ロベルト・フィルミーノと長く3トップを形成してきたが、今のリヴァプールにはルイス・ディアス、ディオゴ・ジョタ、そして今夏に加えたダルウィン・ヌニェスがいた。マネが退団してもチーム力が大幅に落ちることはないと考えていたファンも多かったはず。またマネが30歳を迎えていたこともあり、売却のタイミングとして悪くないとの見方もあった。
ところが、リヴァプールは開幕から未勝利と大苦戦。すべてがマネ退団に原因があるわけではなく、左サイドに入るディアスは頑張っている。しかしヌニェスがいきなり退場処分を受けるなど、攻撃陣が思うように機能していないのは事実だ。ジョタも怪我で出遅れており、早くも嫌なムードが漂っている。
一方でマネを加えたバイエルンは開幕から止まらない。FWロベルト・レヴァンドフスキを失ったダメージが不安視されたが、マネが早々にフィットしたことで問題は解決されたように見える。第3節ではボーフムを7-0のスコアで粉砕しており、マネも2得点を記録。チームは開幕3試合で15ゴール1失点と手がつけられない。
中でも独『Bavarian Football Works』が称えたのはマネの『サッカーIQ』だ。どうしてもスピードやドリブルに注目が集まりがちだが、マネはポジショニングのセンスも優れている。同メディアはトーマス・ミュラーのポジショニングセンスと重ねており、そのサッカーIQの高さもバイエルンのスタイルに素早くフィットできた理由の1つだろう。
もちろんバイエルンの好調もマネ加入だけが理由ではなく、若いジャマール・ムシアラの成長など他にもポイントはある。ただ、マネのおかげでレヴァンドフスキの穴を感じていないのは確かだ。早くも3ゴールを記録しており、今季のブンデスリーガ得点王候補と言って問題ない。
リヴァプールもまだまだここからだが、このままではバイエルンが得をし、リヴァプールが損をした側となるだろう。リヴァプールの場合は負傷者の問題なども影響しているが、素早く立て直せるのか。今のところマネを加えた攻撃陣再編で結果を出しているのはバイエルンの方だ。