ユナイテッドでセレソンの“中盤コンビ”が誕生 両チームに与えるメリットとは

カゼミロがマンチェスター・ユナイテッドにやってくる photo/Getty images

守備的MFの即戦力がやってきた

マンチェスター・ユナイテッドがレアル・マドリードのカゼミロ獲得を発表した。今後就労ビザの取得やメディカルチェックを経て正式に加入すると見られている。契約期間は4年、移籍金は6000万ポンドに1000万ポンドのボーナスが付随する目玉補強になるようだ。

30歳の年齢、移籍金を考えればパニックバイといえるが、ユナイテッドの現状守備的MFの即戦力は必須であり、CL優勝経験を持つカゼミロの加入は大きい。

これでブラジル代表の中盤コンビをユナイテッドで採用することができる。ブラジル代表ではカゼミロとフレッジが横並びになるケースが多く、実際に1-0で勝利した日本戦ではカゼミロとフレッジが中盤に配置されゲームを支配した。
カゼミロが中盤の底でボールを刈り取り、フレッジが豊富なスタミナを生かしてピッチを縦横無尽に駆け回る。この形がブラジル代表にフィットしており、英『The Athletic』によるとコパ・アメリカやワールドカップ・カタール大会に向けた南米予選では10試合でカゼミロとフレッジのコンビが採用されたという。コパ・アメリカは準優勝、南米予選は1位で通過しており、彼らがチームにもたらす影響は大きい。

同紙ではユナイテッドがブラジル代表の中盤のパートナーシップをクラブに持ち込むことは理にかなっているが、実際に機能するのか疑問を呈している。

一つはビルドアップだ。両者ともに球際での強さを見せることはできるが、組み立てをスムーズに行えるタイプではない。

ブラジル代表では右サイドバックに入るダニエウ・アウベスが中央にポジションを取る偽SBで中盤を厚くし、カゼミロからのパスコースを作っている。日本戦でも見られた動きであり、カゼミロとフレッジを横並びにしても問題ないのはアウベスのサポートが大きい。ユナイテッドの右SBにアウベスのような気遣いができる選手は現状いない。同じく新加入のクリスティアン・エリクセンを加えた中盤3枚にするのもありだが、エリック・テン・ハーグ監督はまずビルドアップ問題を解決する必要がある。

カゼミロとフレッジが同じチームで長くプレイすることになればブラジル代表にも良い影響が生まれるだろう。例えばアウベスのサポートがなければビルドアップは難しいが、クラブでこれから3カ月共にプレイすることでフレッジとのコンビネーション向上が見込める。過去にW杯を制したイタリアやスペイン、ドイツは当時の自国リーグの主要なコンビやトリオを代表でも重宝しており、結果を残している。このカゼミロ移籍はその例と重なる可能性があり、ユナイテッド、ブラジル代表の2チームに良い影響を与えると考えられる。

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