期待できるチームの一つだ
移籍市場ではBIG6の積極的な補強が目立つが、今季注目すべきは上位クラブだけではない。
例えば昨季7位でフィニッシュしたウェストハムはどうか。19-20シーズンから就任したデイヴィッド・モイーズ政権は現在まで続いており、一昨季は6位、昨季は7位と好成績を残している。今季で4シーズン目であり、爪痕を残すには十分な期間が経った。
今季期待できる要因の一つに的確な新戦力の補強がある。FWジャンルカ・スカマッカ、DFナイーフ・アゲルドと昨季人員不足で苦しんだストライカーとセンターバックのポジションを補強している。
スカマッカはマイケル・アントニオとポジションを争える高身長ストライカーだ。195cmの長身は魅力的であり、前線でのポストプレイは効果的である。得点力も抜群であり、昨季サッスオーロでは16ゴールを挙げている。
アゲルドは残念ながら負傷してしまい開幕戦を逃すことになるが、非常に優秀な守備者だ。ビルドアップで違いを見せられるパスセンスを持つ左利きのCBで、188cmと背丈も十分だ。昨季リーグ・アンを4位でフィニッシュしたレンヌのスタメンであり、心強い助っ人がやってきた。
まだ補強は続くと考えられており、バーンリーからマクスウェル・コルネを獲得することで合意したと英『The Athletic』が伝えている。切れ味鋭いドリブルの持ち主であり、メディカルチェックの後正式な契約が結ばれるか。また中盤の補強もあるようで、リースのアマドゥ・オナナがターゲットであるとの話も聞こえてくる。
このような積極補強に加えウェストハムは主軸が誰も引き抜かれていない。とくにデクラン・ライスはチェルシーに、ジャロッド・ボーウェンはリヴァプールやアーセナル行きの話があったが、ここまで具体的な話はない。23-24シーズンには移籍してしまうかもしれないが、少なくとも今季はウェストハムの選手としてシーズンを戦い抜くはずだ。
英『THE SPORTSMAN』でウェストハムは今季6位、もしくは7位でフィニッシュすることになるだろうと新シーズンを予想している。その根拠はやはり、前述した分厚い選手層だ。BIG6には劣ることになるが、それ以外ではウェストハムほどに戦力が充実しているチームはない。
今季はヨーロッパカンファレンスリーグを戦うことになるが、昨季の教訓が生かされることになるだろう。昨季はヨーロッパリーグとリーグ戦を並行して戦っており、終盤は失速が見られた。今季はその二の舞にならないためにこの夏で積極的な補強を見せている。
BIG6の牙城を崩す存在として期待されているウェストハム。非常に楽しみな存在であり、CL権獲得レースに波乱を起こす存在になるのだろうか。