8月6日に22-23シーズンのプレミアリーグが開幕する。開幕カードはクリスタル・パレス対アーセナルとなっており、昨季は1勝1分でパレスが勝ち越している。
ミケル・アルテタ体制4年目となるアーセナルには大きな期待がかかる。就任後は2季連続での8位フィニッシュと難しい時期もあったが、昨季は大型補強を行い5位。ギリギリでCL出場は逃したが、終盤にはチェルシー、マンチェスター・ユナイテッド、ウェストハム相手に3連勝するなど強さを見せている。
そんなアーセナルの今夏の移籍市場での動きは昨季同様に積極的だ。ガブリエウ・ジェズス、オレクサンドル・ジンチェンコ、ファビオ・ビエイラと即戦力の補強を行い、さらにユーリ・ティーレマンスやブカヨ・サカの競争相手になれるウイングを求めている。今夏はすでに約1億2000万ポンドを市場に費やしており、クラブの本気度がうかがえる。
英『The Guardian』ではシーズン開始前にプレミアリーグ各クラブの22-23シーズンを展望しており、最終的な順位予想は5位となっている。今夏見せた積極補強も加味する必要はあるが、近年の順位から考えれば妥当な数字だといえる。現状のプレミアはマンチェスター・シティとリヴァプールがずば抜けており、さらにチェルシーやトッテナム、マンチェスター・ユナイテッドと順位を争わなくてはならない。
もし来季再び5位となり、CL出場権を逃したとしても英『90min』はアルテタを信頼すべきだと主張している。その根拠はいつくかあり、まずは成功している補強だ。昨季はベン・ホワイト、アーロン・ラムズデール、冨安健洋、マルティン・ウーデゴーと4選手が一気にチームの主軸となった。とくに守備は強固になっており、今夏の新加入選手がチームに融合すればさらなる飛躍が見込める。
次にプレイスタイルの明確化だ。攻撃時はハイラインを設定してボールを保持し、守備時はハイプレスから相手にプレッシャーを与えて試合をコントロールする。これまでの補強でこのスタイルを実現できるプレイヤーは増えており、英紙はアーセナルのこのスタイルを「アルテタボール」と呼んでいる。明確な戦術はシティらBIG6と渡り合うには必須であり、「アルテタボール」の成熟度はシーズンを重ねるごとに深まっている。
アーセン・ヴェンゲルが退任し、一つの時代が終わったアーセナル。その後のウナイ・エメリ政権は失敗に終わってしまったが、クラブはアルテタに十分な時間と資金を与え、成長を待っている。22-23シーズン、23-24シーズンあたりが勝負の年であり、今度こそCL出場権を確保することはできるのだろうか。