マンチェスター・シティは21日にクラブ・アメリカとのプレシーズンマッチに臨んだ。
このゲームでは多くの新戦力と若手が起用されており、ニューカマーであればGKにシュテファン・オルテガ、最終ラインにカルヴィン・フィリップス、最前線にフリアン・アルバレスがスタートから使われている。アーリング・ハーランドはベンチに姿を見せたが、出番はなかった。
最も大きなインパクトを残したのはアルバレスだ。得点はなく後半ベンチに下がったアルゼンチン人ストライカーだが、動き出しの技術とパスのアイデアはすでにシティでも別格のものがあった。
常に動き出しでボールをもらえる位置にポジショニングしており、カウンター時はサイドに流れてパスコースを作っている。快足の持ち主であり、よりチームメイトとの連携を深めれば大きな武器になるのは間違いない。次にパスだが、ストライカーとは思えない精度とアイデアを持っている。アイデアはケビン・デ・ブライネに近く、右サイドから左サイドのジャック・グリーリッシュにピンポイントのクロスを供給する場面もあった。最前線に留まるストライカーではなく、昨季のフィル・フォーデンの偽9番に近いイメージだ。
オルテガはいきなりビルドアップで大きな貢献を見せてくれた。シティでの初の試合となったが、広い視野でフリーになっている選手を見つけ、正確なパスでボールを送り届ける。失点はしてしまったが、最終ラインの対応の悪さも目立っており、オルテガの評価を下げる要因とはならないか。
フィリップスは中盤の選手だが、シティでのデビューはセンターバックとなった。アイメリック・ラポルトとジョン・ストーンズがこのアメリカツアーに帯同していないことも関係しているが、シーズン中もフィリップスのCB起用はあるといえる。パフォーマンスについてはそつなくこなしているといった印象が強く、ビルドアップでは配球力が目立っていた。
若手でいえばMFコール・パルマーとDFジョシュ・ウィルソン・エスブランドが存在感を示していた。
パルマーは右のウイングで起用されており、突破やパスから攻撃を操っている。22-23シーズンはリヤド・マフレズの控えとしてプレイタイムを得られると予想されており、さらに一段階飛躍する必要がある。
ウィルソン・エスブランドは左サイドバックの選手で、トップチームではオレクサンドル・ジンチェンコが抜けることもあって手薄になるポジションだ。シンプルなワンツーからの抜け出しや期待感のあるクロスなど攻撃面で違いを見せており、来季はおそらくパルマー同様に出場機会が増えることになる。まだ19歳と若い選手だが、NEXTフォーデン候補の一人だ。
PSM初戦クラブ・アメリカ戦ではまずまずの収穫を得たシティ。とくにアルバレスは早くもチームにフィットしている雰囲気があり、ハーランドもそう簡単にスタメン確保とはならないだろう。