伊藤ら台頭で収穫だらけの最終ラインはドイツ・スペインにも対抗できる? 日本代表4連戦序列評価DF・GK編

輝きを放った伊藤洋輝 photo/Getty images

頼りになる選手が増えた

日本代表が戦った6月の4連戦で最も評価を上げたのは守備陣だろう。ミスが目立つ4試合ではあったが、逆にミスがなければこれほど失点していない。完璧に崩された回数も手で数えられるほどであり、大きな成長を見せている。

評価を高めたのは伊藤洋輝と板倉滉、長友佑都、シュミット・ダニエルの4人だ。伊藤は左サイドバックとしてプレイし、おそらく序列は長友佑都や中山雄太を越えて1番手になった。それほど攻守で安定したプレイを見せており、期待できる若手だ。188cmの長身も魅力であり、ワールドカップ・カタール大会では彼が先発になるだろう。

板倉も伊藤同様に大きく序列を上げた。攻撃を跳ね返す守備力、ビルドアップに貢献できる技術の高さはずば抜けており、一気にファーストチョイスに躍り出た。中盤でプレイできる点も彼の強みであり、9月の代表戦ではそのポジションでも試されるはずだ。

長友は伊藤の台頭もあって右サイドバックにポジションを変えたが、問題なくフィットして戦力になっている。守備での安定感はさすがであり、改善の余地がある攻撃面ではインナーラップを行うなど変化を見せている。両サイドのバックアッパーとしての地位を確立しており、長友のカタール行きはほぼ確実だ。

シュミットはアジア最終予選ではほぼ起用されなかったが、6月のテストゲームではパラグアイ戦とチュニジア戦でピッチに立った。セービング力が高く、ビルドアップでの貢献度が大きい。中距離のミドルパスが正確であり、彼のキックでプレスを無効化する場面が何度もあった。セービング力も高く、チュニジア戦での連係ミスがなければより評価されていただろう。権田修一との序列はまだ覆せていないが、この4試合で一気に評価を上げたのは間違いない。

谷口彰悟はパラグアイ戦、ガーナ戦でピッチに立ちさすがの安定感を披露した。攻守両面で貢献できるハイレベルなセンターバックであり、代表での地位を確立している。ファーストチョイスとはなれていないが、安心して控えを任せられるバックアッパーであり、カタール行きは堅い。

権田も谷口と同様に以前からの評価を継続させた。ビルドアップでの貢献度のなさが指摘されていたが、守護神を任されたブラジル戦では冷静にパスをつなぎ、組み立てに参加している。ただ2戦目のコスタリカ戦のように高い位置でGKが組み立てに参加できる場合はシュミットが適任かもしれない。

山根視来は攻撃的なサイドバックとして2戦目のコスタリカ戦に先発するだろう。外と中を器用に使い分ける攻撃は魅力的であり、ガーナ戦は先制点を決めている。久保建英や堂安律らとのコンビネーションは強力で、サイドバックが高い位置を取れるコスタリカ戦で重宝されることになる。ミスが失点につながってしまったが、後方での連携ミスであり、山根個人が評価を下げる理由にはならない。

反対に評価を下げてしまったのは吉田麻也と川島永嗣のベテラン2人だ。吉田は疲労も溜まっていたという点を考慮する必要があるのだが、チュニジア戦のミスはいただけない。板倉という新たなセンターバックが台頭しており、冨安健洋が怪我から復帰すれば吉田のポジションは安泰ではないだろう。

川島はピッチ内よりはピッチ外での貢献度が高いといえるが、ピッチに立った際はビルドアップでの貢献度の低さが目立つ。ポジショニングの改善が必要で、川島が守護神となるとセンターバックが降りてくる必要がある。ガーナ戦の山根のミスも川島の判断の悪さが目立っており、大迫敬介に経験を積ませても良かったように思える。

中山雄太はプレイで評価を下げたわけではないが、伊藤の台頭、自身のコンディション不良の影響でピッチに立つ機会が少なかったこともあってカタール行きが怪しくなっている。中山のアイデンティティであったパスでの攻撃参加は伊藤も同じことができ、守備面では伊藤に分がある。長友は両サイドバックとして存在感を示しており、中山は9月が勝負の月になる。

FWやMFに比べて評価を上げた選手が多いDF・GK陣。守備の安定がチームの安定につながることは以前からわかっており、彼らが失点を許さなければ負けない。板倉に伊藤、冨安健洋と人材は揃っており、ワールドカップ・カタール大会は楽しみな大会となりそうだ。

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