EURO2020王者イタリア相手に5得点快勝 森保ジャパンがW杯初戦で戦う“13戦無敗”ドイツ代表の強さとは

世界最高峰の監督とされるハンジ・フリックが日本代表に襲い掛かる photo/Getty images

アッズーリを圧倒した

11月に開催されるワールドカップ・カタール大会で日本代表が戦うことになるドイツ代表。元バイエルン・ミュンヘンのハンジ・フリックが監督に就任してからは負け知らずで、13戦で無敗記録を更新中である。15日に行われたUEFAネーションズリーグ第4節イタリア戦ではEURO2020を優勝した相手に対し、5-2と快勝を収めている。

そんな無敗のドイツと日本代表は初戦で戦うことになる。残りのコスタリカ、スペイン戦を考えれば引き分けでの勝ち点1が必須であり、どうにかしてドロー決着にしたい。だがイタリア戦で見せたドイツ代表の強さは凄まじく、ロベルト・マンチーニ率いるアッズーリを完膚なきまでに叩きのめした。

ドイツ代表は[4-2-3-1]でスタートし、攻撃時は2枚のセンターバックとボランチであるイルカイ・ギュンドアン、ヨシュア・キミッヒのどちらかが最終ラインに降りてビルドアップをサポートする3バックがボール保持の基本形である。基本的に大外の左でいえばダビド・ラウム、右でいえばヨナス・ホフマンが幅を取り、攻撃を前進させていく。外にボールを集めて中を使う、これを繰り返してスペースができた時に一気に攻め込む。イタリア戦では外に相手を集めて中から攻略を目指すことが多かった。10分の先制点の場面では中→外→中となっており、視線を誘導する揺さぶりからゴールを決めている。キミッヒの1点目、トーマス・ミュラーの3点目、ティモ・ヴェルナーの4点目はその揺さぶりから得点が生まれた。
ドイツ代表の攻撃陣で気を付けるべき選手は多いが、イタリア戦で右サイドハーフに入ったMFヨナス・ホフマン(29)は要注意人物だ。ボルシアMGに所属するアタッカーで、2020年に代表初招集となった苦労人である。彼の特長はポジショニングであり、右サイドハーフながらウイングバックや中盤、センターフォワードなど様々なポジションを取ることがある。まさに神出鬼没であり、アドリブ力が高くDFの死角に入ることがうまい。イタリア戦でゴールはなかったが、イングランド戦、ハンガリー戦でゴールを決めている。

守備時は[4-2-2]でハイプレスを仕掛けてくる。後ろの選手がどんどん前に出る積極的なプレッシングであり、イタリア代表を困らせていた。だがハイプレスはリスクもあり、かわされてしまえば一気に攻め込まれる。ドイツ代表はこのリスクを切り替えの速さでカバーしており、守備の意識が徹底されている。それが示されているのが26分のシーンで、ニコラ・バレッラに個でプレッシングをはがされても最前線にいたレロイ・サネが物凄い勢いでのプレスバックを見せている。ドイツ代表は全選手にサネのような守備意識の高さがあり、それで守備強度を保っている。

終盤に2失点するも、イタリア相手に5-2と快勝を収めたドイツ代表。攻撃では左右の揺さぶりでゴールを目指し、守備では切り替えの速さで強度を保っている。隙のない強豪であり、サムライブルーは彼らにどう立ち向かうのだろうか。

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