開幕直後のレアル・3トップ覚えてる? 夢の“BBH”はヴィニシウスによってすぐ崩された

今季こそはと期待されたアザール photo/Getty Images

ヴィニシウスがいなければ今季のレアルは危なかった

すでにレアル・マドリードはリーガ・エスパニョーラ制覇を決めており、あとはチャンピオンズリーグ決勝のリヴァプール戦に全エネルギーを注ぎ込むのみといった状態だ。

チャンピオンズリーグでの相次ぐ逆転劇など充実したシーズンになっているが、ここでシーズンの序盤を振り返ってみよう。今季開幕直後、レアルがどんな前線3トップを構成していたか覚えている人がどれだけいるだろうか。

開幕戦となった8月14日のアラベス戦、指揮官カルロ・アンチェロッティが送り出した3トップはカリム・ベンゼマ、ガレス・ベイル、エデン・アザール、の3人だった。ユニット名にするなら、BBHか。開幕した段階では、このビッグネーム3枚のBBHこそ最高の3トップと考えられているところがあったのだ。
このゲームでアザールはアシストこそ記録したが、ベイルとアザールにゴールは生まれなかった。2人に代わってネットを揺らしたのは、66分にアザールと交代でピッチに入ったFWヴィニシウス・ジュニオールである。思えば、この早い段階でヴィニシウスが結果を出してくれたのが大きかった。

アンチェロッティは続く第2節のレバンテ戦でも同じ3トップを先発させているが、アザールとベイルにゴールはなし。1-2とリードを許していたチームを救ったのは、59分から出てきたヴィニシウスだった。

レアルはヴィニシウスの2ゴールで何とか3-3の引き分けに持ち込むことになり、この開幕2試合でヴィニシウスに対する印象は大きく変わった。アザールより序列で上に立ったのだ。

アンチェロッティは第3節のレアル・ベティス戦からヴィニシウスを先発で固定するようになり、シーズンの早い段階からベンゼマとヴィニシウスの連携を深めていくことができた。ベンゼマの活躍はもちろんだが、ヴィニシウスの覚醒がなければリーグ制覇&チャンピオンズリーグ決勝進出はなかっただろう。

ベイルは第3節から負傷離脱し、アザールは次第に途中出場する機会も減っていった。ネームバリュー的にはベイル、ベンゼマ、アザールの3トップが1番豪華に見えるが、早々にこの3トップは崩壊した。しかし結果的にはそれが良い方向へ転がることになり、アンチェロッティもそのタイミングを見逃さなかった。

ヴィニシウスが覚醒していなかったシナリオを想像すると、今季はかなり苦しい戦いになっていたかもしれない。

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