昨季ほどの安定感は見られていない
マンチェスター・シティ、リヴァプール、チェルシーは今季開幕前からプレミアリーグ内でも少し抜けた存在として注目されており、リーグ戦では彼らの三つ巴になると思われていた。序盤は予想通りの展開となったが、チェルシーに負傷者や新型コロナウイルスの陽性反応が続出すると安定感はなくなり、シーズン終盤5月時点でのチェルシーと首位クラブとの勝ち点差は16ポイントも離れている。
英『THE SPORTSMAN』ではチェルシーが復調しない限り、シティとリヴァプールの2強状態は続くと予想している。実際に首位シティと2位リヴァプールはそれぞれ勝ち点が83ポイント。3位以下のチェルシーは60ポイント台であり、大きな差がある。
とはいえ、今季は難しいシーズンだった。前述した離脱者に加えてオーナーであるロマン・アブラモビッチ氏に経済制裁が行われ、クラブ内に激震が走った。それでも、チームとしては戦い続ける必要があり、ピッチ外の問題がピッチ内にまで入ってきてしまった。選手たちにどれだけ影響を及ぼしたのかは分からないが、多少なりとも動揺を抱えながらプレイしたはずだ。また、夏の移籍市場で獲得した選手がチームにフィットしなかったのも苦しかった。ロメル・ルカク、サウール・ニゲスはシーズン終盤のこの段階ですら戦力になっているとはいえず、結局ストライカー問題は解決していない。
そんなチェルシーを復活させるポジティブな話題として、ようやく新オーナーが決まったようだ。英『Sky news』によると、米大リーグ、ロサンゼルス・ドジャーズの共同オーナーを務めるトッド・ボーリー氏や米投資会社クリアレイク・キャピタルなどが入るグループが買収したと報じている。これからイングランドの政府の認証など必要な作業が残っており、5月下旬ごろに正式に発表ができるとのこと。
新オーナーが決まればひとまず安心だ。これで来夏の補強や既存選手との補強が行え、来季に見通しが立つことになる。元の戦力は昨季シティとの直接対決で3連勝するほどのチーム力を持っており、チームを指揮するトーマス・トゥヘルの腕も確かだ。しかし、今季は直近のウルブズ戦で勝ち点を落とすなど、以前の安定感はなくなっており、チーム力がより試されることになる。