厄介な“問題児”から頼れる“救世主”に ウスマン・デンベレはバルセロナ復権のカギとなる?

ここにきて評価を逆転させているウスマン・デンベレ photo/Getty images

ドリブルにパスと選択肢が多い

一度監督やサポーターから落としてしまった評価をもとに戻すには相当な努力が必要であり、実戦でのパフォーマンス、特にFWであればゴールやアシストで結果を残す必要がある。それを継続的に行うことで信頼を取り戻すことが出来る。バルセロナのウスマン・デンベレは今信頼を取り戻している真っ最中であり、頼れるアタッカーとしてチームを支えている。

2017年にボルシア・ドルトムントからやってきたデンベレ。1億4500万ユーロ(日本円にして約195億円)と高い移籍金が支払われており、その分期待は高かったが、度重なる遅刻に怪我での離脱もあって移籍当初よりも評価の下がった状態で今シーズンを迎えている。今季は契約の最終年であり、バルセロナは損をしないために年俸ダウンでの延長を要求。しかし、4月の段階で延長とはなっておらず今季終了後の退団が噂されている。

こういった背景もあってバルセロナサポーターからの評判は最悪である。怪我から復帰しホームのカンプ・ノウでプレイしても、ボールを持てば相手ではなくバルセロナの選手であるデンベレに大きなブーイングがされるほどであり、関係修復は不可能かに思われたが、現在その関係が回復傾向にある。

その大きな要因としてデンベレのパフォーマンス向上がある。今季も怪我で出遅れたが、11月頃に復帰すると、これまではほぼ怪我なくプレイしている。離脱がなく継続的にプレイしていることもあってかコンディションがよく、攻撃面での貢献度は素晴らしい。両足をそん色なく使えるプレイヤーであり、右サイドで起用されることになれば縦への突破、カットインからのシュートと選択肢が豊富で、対峙するDFは苦戦を強いられている。一つ一つのプレイの精度も上がっており、リーグ戦では1ゴール10アシストを記録。決定力の低さは少し気になるが、チャンスメイク力は圧倒的だ。また、守備面では献身的な姿勢を見せるようになっており、デンベレのチーム内での序列はぐんぐん上がっている。

西『AS』によると契約延長の話が復活するかも知れない。シャビ・エルナンデス監督はデンベレとの延長を熱望しており、クラブ側もその意見を聞いて交渉の場を設けようと動いているようだ。デンベレ側の意思は報道されていないが、まだ24歳と若くバルセロナがデンベレを今後も保有することになればプラスに働くはずだ。

不安要素としては怪我が気になるが、復帰後からここまでは特に問題なくプレイできているデンベレ。攻撃での迫力はもちろん、守備の強度も上がっており、契約延長となれば長く期待できる選手になりそうだ。

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