WEリーグの後期が3月5日からはじまりましたが、試合情報や結果をみなさんどれだけ目にしたでしょうか。私の印象では、2021年9月12日の開幕からこれまで、なかなかみなさんの興味を引き寄せられておらず、あまり注目されていないと感じています。
秋春制で中断期間があったのももったいなかったです。開幕して「オッ!」と思っていたら、数ヵ月開催されて止まってしまった。中断期間に代表の活動や皇后杯はありましたが、ちょっともったいなかったですね。後期再開とアナウンスされても、今度は「エッ?」「またはじまるの?」と感じている方が多いかもしれません。
なぜ、いまひとつ盛り上がっていないのか? 一生懸命に考えてみました。原因のひとつが、代表チームの魅力不足です。2011年ドイツW杯で優勝した時点で止まっているわけではありませんが、あのとき以上に魅力あるチームが出てきていません。WEリーグによって代表強化を図るという側面があるはずですが、1月のアジアカップでは中国にPK戦で敗れました。2023年W杯の出場権は獲得しましたが、アジアでベスト4という現実を真摯に受け止めないといけないです。
WEリーグが盛り上がり、代表強化につながればよいですが、過去を振り返ればそう簡単にいかないとわかります。2011年W杯に優勝し、国内リーグが注目されました。しかし、一過性のもので継続しませんでした。尻すぼみとなり、ブームで終わってしまいました。いまであればWEリーグそのものに魅力がなければ、長続きは望めません。代表に選出されるようなトップの選手たちが「アジアの頂点を逃している」という危機感を持ってピッチ内外のことに取り組んでいかないと、絶対にWEリーグの成功にはつながりません。
とはいえ、コロナ禍でいろいろと難しいのも事実で、たとえばピッチの外では精力的に活動することができません。派手なイベントはできず、お客さんと触れ合うこともできません。街に出てビラを配ることもできず、ピッチの外で自分を売り出す機会はほぼありません。試合はDAZNやDAZN YouTubeでの配信で、民放地上波での放送はわずか。メディアを使うという意味で、SNSやYouTubeで発信している選手はいます。クラブとして、チームや選手をもっとうまく売っていけたらいいのですが……。
オープニングマッチにしても、本来なら大々的に開幕するはずが、どこかフワッとした感じではじまりました。2021年9月12日にI神戸×大宮V(ノエスタ)で午前10時キックオフ。歴史に残る一戦だったのですが、どれだけのサッカーファンがこの試合を知っているでしょうか。ひとつ言わせていただくと、いろいろな考えがあると思いますが、午前10時開始というのは、注目度という点では一考の余地があったと思います。