批判が集まるシティの移籍市場での動き グリーリッシュではなくケインを獲得すべきだった?

批判の集まるグリーリッシュ photo/Getty images

難しい選択だ

今夏の移籍市場でマンチェスター・シティはハリー・ケインを取るべきだったのか。0-0でクリスタル・パレス相手に引き分けとなったあとにはこのような声が多方面から聞こえてくる。

今夏の移籍市場ではストライカーのケインではなくチャンスメイカータイプのジャック・グリーリッシュをアストン・ヴィラから獲得したシティ。序盤は出番を得られない中で批判の声も多かったが、現状ではラヒーム・スターリングを押しのけて左サイドで先発の座を掴んでいる。引き分けとなったが、パレス戦でのグリーリッシュのパフォーマンスは良かった。味方の攻撃を活性化させるパス、自身で運ぶ技術、攻撃時のポジショニングと求められているものを高いレベルでチームに提供している。特にパスが光っており、キーパスはチーム最多の3回を記録。味方が決めきることができればアシストが付いた可能性もある。しかし、勝つことはできていない。

英『Sky Sports』にて元リヴァプールのジェイミー・キャラガー氏は「(パレス戦で)ハリー・ケインがいればゴールネットを揺らすことができたかも知れない。私は常にグリーリッシュに費やしたお金をケインに使わなかったのは驚いたと言ってきた。グリーリッシュの質の高さは分かっているが、それでもすでにフィル・フォーデンやベルナルド・シウバ、ラヒーム・スターリングが戦力としており、グリーリッシュの獲得は正しい選択肢ではなかった」とケインではなくグリーリッシュを取ったプランを批判している。

一理ある話だが、トッテナムが要求していたとされるケインの移籍金は1億6000万ポンド(日本円にして246億円)と高額である。グリーリッシュは1億ポンドで獲得しており、そこからさらに6000万ポンドとなればさすがのシティでも財政やFFP関連で獲得は難しくなるはずだ。また、フォーデンの偽9番は今のシティにフィットしており、得点数もプレミア全体で68点とリヴァプールに続く数字を残している。ケインがいれば高さが一つのオプションとなるが、それに1億6000万ポンドは高すぎる。反対にグリーリッシュは26歳とケインと比べ若く、ウイングに加えて偽9番やインサイドハーフと起用法が豊富である。また、キャラガー氏が戦力とするスターリングは今季のパフォーマンスが怪しく、グリーリッシュがいなければより苦戦していた可能性はある。キャラガー氏の指摘は結果論に過ぎない。

ケインではなくグリーリッシュを加え、崩しのクオリティを高めたシティ。どちらが正解というのは分からないが、現状のチームへの貢献度を見れば獲得が失敗だったとはならないはずだ(データは『SofaScore』より)。

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