バイエルンは本当に“CL優勝候補”の一角か 気になる中盤&最終ラインの選手層

今節はホッフェンハイムと引き分けたバイエルン photo/Getty Images

リーグ戦では躓きも見られる

チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦2ndレグではザルツブルクを7-1で圧倒するなど、ドイツ王者バイエルンは確かに強い。ただ、2022年に入ってからの彼らは盤石とは表現しづらい。

12日に行われたブンデスリーガ第26節ではホッフェンハイムと1-1のドローに終わっており、首位を維持しながらもスッキリしない戦いだ。今年に入ってからはボルシアMGに1-2、ボーフムに2-4で敗れるゲームもあり、思ったほど独走できていない。2位ドルトムントの躓きぶりを見ればバイエルンの独走となってもおかしくないのだが、隙を与えてしまっている印象だ。まだ優勝へ油断はできない。

指揮官ユリアン・ナーゲルスマンも3バックを採用するなど手は打っているが、今回のホッフェンハイム戦では勝利に繋がらなかった。痛いのは負傷者、新型コロナウイルスの影響で欠場している選手たちが定期的に出ているところにある。
前線の陣容は盤石に近いが、中盤と最終ラインの層が薄い。中盤ではレオン・ゴレツカが長期離脱しており、これはかなりの痛手だ。ジョシュア・キミッヒ、若いジャマール・ムシアラはいるが、決して層は厚くない。

何より昨夏ライプツィヒから加えたマルセル・ザビツァー、2020年にエスパニョールから加えたマルク・ロカが思うような戦力になっていない。ロカはこの日もベンチに座ったままゲームを終えており、近年の補強は外れも目立つ。

最終ラインでは昨夏にライプツィヒからDFダヨ・ウパメカノも加えているが、ホッフェンハイム戦は起用されなかった。ポテンシャルは高いが、まだワールドクラスのセンターバックになりきれていないといった印象だ。身体能力は高いが、まだミスも目につく。

左の快速サイドバックであるアルフォンソ・デイビスの離脱が長引いているのも痛手で、ブナ・サール、19歳と若いタンギー・クアッシも戦力にはなっていない。やはり昨夏ダビド・アラバが抜けた影響は大きく、最終ラインも以前から大幅に強化されたとは言えないか。

ベテランながら守備のユーティリティプレイヤーだったハビ・マルティネスも昨季限りでチームを去っており、中盤では2020年にチアゴ・アルカンタラがリヴァプールへ向かった。この穴が完全には埋まっていないところがあり、層の薄さは主力組の疲労にも繋がる。終盤戦はそこが不安ポイントだ。

チャンピオンズリーグでも優勝候補の一角には挙げられるが、守備は不安定なところもある。リヴァプール、マンチェスター・シティに比べると、絶対的強さに欠けるか。ザルツブルクは華麗に撃破したが、今のバイエルンにビッグクラブを倒すだけの力があるかは微妙なところだろう。

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