起用しなければ確実に攻守で強度が落ちる シティで“水を運び続ける”B・シウバの役割

マンチェスターダービーでも変わらない輝きを放ったベルナルド・シウバ photo/Getty images

重宝される理由がよくわかる

トップチームの選手層が厚いことで知られるマンチェスター・シティ。センターバックはルベン・ディアスをはじめ代表級の選手が4人おり、誰が出てもある程度の守備強度とビルドアップの精度を保つことができる。前線の層も厚く、左サイドではジャック・グリーリッシュとラヒーム・スターリングが、右サイドではリヤド・マフレズとガブリエウ・ジェズスがポジションを争っている。

ペップはそれを上手くローテーションさせて疲労の軽減やその試合にあった選手を起用しているのだが、その選手でなければ確実にチーム全体のクオリティが落ちてしまうポジションがある。それはGKのエデルソン・モラレスとアンカーのロドリの2人だが、もう一人重要な選手がいる。インサイドハーフのベルナルド・シウバだ。

彼はレフティのテクニシャンタイプであり、7日に行われたマンチェスター・ユナイテッド戦ではケビン・デ・ブライネの先制点をアシストしている。フリーで受けるポジショニングと高精度のクロスはさすがであり、プレミアではこれで2アシスト目となった。

攻撃的な選手としても十分にレベルの高いシウバだが、彼の真骨頂は攻守を支え続ける走力にある。ビルドアップではセンターバックの位置まで降りてくることがあるのだが、そこからパスやドリブルを用い、ボールを前進させることができる。後半はそれが特に顕著に表れており、ユナイテッドはシウバを止めることができなかった。

そういった攻撃面だけでなく、守備でも彼が率先してプレッシングを行っている。カウンターを受けそうになった75分のシーンがまさにそれであり、フィル・フォーデンと共にシウバがドリブルをしているジェイドン・サンチョをサンドしてボールを回収している。75分は疲労を感じる時間だといえるが、全速力でプレスバックし、攻撃を未然に防いだ。こういった守備時以外の相手のビルドアップを妨害するハイプレスも得意であり、イビチャ・オシム元日本代表監督が表現したことでも有名な「水を運ぶ」役割をシウバはシティで任されている。

モナコ時代はテクニシャンという印象が強かったシウバ。今でもその技術の高さは健在だが、ペップはそこではない走力を軸とした攻守への貢献度の高さを評価しているのだろう。今後の重要な試合でも、インサイドハーフはシウバを軸にスタメンが組まれることになりそうだ。

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