《28戦無敗》のアルゼンチン代表は本物なのか メッシ&堅守で目指すW杯の頂点

南米予選でも未だ無敗のアルゼンチン photo/Getty Images

着実に力を伸ばしている

34歳のリオネル・メッシにとって最後のワールドカップになる可能性が高い今年のカタール大会。アルゼンチン代表が狙うはもちろん優勝だが、今の強さは本物なのだろうか。

アルゼンチンは2018年のロシア大会もグループステージでアイスランド代表と引き分けるなど苦戦し、結局はベスト16でフランス代表に敗れて大会を終えた。今やアルゼンチンを優勝候補に推す声は少なくなっている。

しかし、アルゼンチンは決して弱くなったわけではない。現在行われている南米予選では先日もチリ代表を2-1で撃破しており、首位ブラジル代表と同じく無敗だ。また昨年にはコパ・アメリカでも悲願のタイトルを獲得するなど、リオネル・スカローニ率いるアルゼンチンは着実に力を伸ばしている。

メッシにとって最後のW杯になる可能性も photo/Getty Images

メッシはカタール大会までに調子取り戻すか

最後に負けたのはコパ・アメリカ2019の準決勝・ブラジル戦まで遡る。現在のアルゼンチンは28試合連続無敗中なのだ。もっとも新型コロナウイルス流行の影響などもあったため、欧州の強豪とテストマッチを十分にこなせていないのは事実だ。

それでも2019年にはドイツ代表と2-2で引き分けるなど、とにかく今のアルゼンチンは負けにくいチームには仕上がってきている。

GKではアストン・ヴィラ所属のエミリアーノ・マルティネスが頼もしい存在になっており、長年探してきた真の守護神が見つかったと言える。最終ラインも好調のアヤックスで充実の時間を過ごすリサンドロ・マルティネス、ニコラス・タグリアフィコ、負傷が続いているのは気がかりだが、昨夏トッテナムに移籍した実力派センターバックのクリスティアン・ロメロなど実力者は揃う。守備の安定が今の無敗に繋がっているのは間違いない。

もっとも、主役になるべきメッシがパリ・サンジェルマンで調子を出せていないのが何よりの心配事ではある。インテルのラウタロ・マルティネス、アトレティコ・マドリードのアンヘル・コレアといったアタッカーは信頼できるが、やはりメッシが好調でなければ話は始まらない。好不調の波があるユヴェントスのパウロ・ディバラも100%の状態とは言い難いか。

カタール大会までにメッシを含む前線が調子を上げてくれれば、守備陣の頑張り次第で粘り強く頂点を目指すことは可能なはず。以前までのアルゼンチンのように破壊力抜群のサッカーは期待しづらいが、堅実ではある。このまま無敗で本番を迎えたいところで、王様メッシに最後のタイトルが渡るか注目だ。

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