2021-22シーズン、ACミランの中盤で若き才能がようやく覚醒した。その若き才能とは、もちろんイタリア代表MFサンドロ・トナーリ(21)だ。攻撃時にはアンドレア・ピルロのようにパスを捌き、守備時にはジェンナーロ・ガットゥーゾのように相手から激しくボールを奪い取る。かねてよりポテンシャルの高さは評価されていたが、彼は今季ついにその能力を完全開花させることに成功した。
しかし、そんなトナーリに続いて、ミランの中盤では来季も若く優秀な才能が輝くことになるのだろうか。ひとり注目しておきたいのは、現在ボルドーにレンタル移籍しているMFヤシン・アドリ(21)。彼もまた、トナーリに続く存在として目が離せない逸材だ。
昨夏ミランに完全移籍で加入し、今季はレンタルという形でそのままボルドーにおけるプレイを続けているアドリ。現時点でチームは降格圏と3ポイント差の17位に沈んでいるものの、彼個人のパフォーマンスが悪くない。ここまでは22試合の出場で1ゴール6アシストを記録しており、主に攻撃的MFとしてチームの攻撃陣を牽引している。
加えて、今季のアドリはそのほかの詳細なスタッツも優秀だ。データサイト『SofaScore』によると、同選手はキーパス数(42本:チーム1位)やアタッキングサードにおけるパス成功数(206本:同1位)、ビッグチャンスクリエイト数(4回:同1位タイ)、ドリブル成功数(36回:同2位)といった部門でいずれもチーム最高クラスの数字を記録中。そして、守備でも読みの鋭さを活かしてチーム4位となる24回のインターセプト数を記録しており、攻守に抜け目のないパフォーマンスを披露している。
「アドリやファン・ウィジョをはじめとした優秀な選手がいるのに、なぜボルドーは勝てないのか。(中略)特に、アドリに関してはとても21歳とは思えないプレイぶりを見せてくれている。彼はミランで必ず成功することだろう」(仏『Foot Mercato』)
そんなアドリに関しては、地元メディアもこのように高く評価している。来季ミランに合流予定の若者が見せるフランスでの奮闘劇。来季アドリとトナーリで若き中盤コンビ結成となれば非常に興味深いが、はたしてどうなるか。2022-23シーズンのミランはよりフレッシュで、面白いチームとなるかもしれない。