リーグワースト3の《17ゴール》でもプレミア8位 不思議なウルブズ快進撃支える遅咲きの守護神

ウルブズの守護神ジョゼ・サ photo/Getty Images

ポルトガルの新守護神候補現る

今季ここまでのプレミアリーグで興味深いチームの1つとなっているのが8位につけるウォルバーハンプトンだ。

特長的なのは、ウルブズの得失点だ。ここまでウルブズは勝ち点31を稼いでいるが、得失点の内訳は17得点15失点となっている。失点数は首位マンチェスター・シティに次いで2番目に少ない数字と優秀だが、得点数の方は19位に沈むニューカッスルよりも少ない(20得点)。リーグ全体では最下位のバーンリー(16得点)、18位ノリッジ・シティ(10得点)に続くワースト3位だ。

1つ上の7位マンチェスター・ユナイテッドが2倍の35得点奪っていることを考えると、ウルブズがこの得点数でトップ10を守っているのは実に興味深い。
中でも注目したいのは、ここまで8度のクリーンシートを達成して堅守を支えるポルトガル人GKジョゼ・サの存在だ。29歳のジョゼ・サは今季よりウォルバーハンプトンでプレイしているのだが、これまではあまり有名な存在ではなかった。

ポルトガル国内では名門FCポルトでもプレイしていたのだが、ジョゼ・サがいた頃は元スペイン代表のレジェンドGKイケル・カシージャスも所属しており、出番を奪われていたのだ。2018-19シーズンからはギリシャのオリンピアコスにレンタル移籍し、1年後には完全移籍に切り替えた。評価が上がり始めたのはこのあたりからか。

またポルトガル代表にも2017年から何度か招集されていたのだが、ポルトガル代表には絶対守護神の現ローマGKルイ・パトリシオがいる。

パトリシオはEURO2016、2018ワールドカップ・ロシア大会、そして昨夏のEURO2020と近年のメジャートーナメントは全試合担当しており、ジョゼ・サには割って入る隙がなかった。これも有名になりきれていなかった理由の1つだろう。

しかし、今季のパフォーマンスならば代表でも守護神争いに加われるかもしれない。パトリシオの方も33歳とベテランの域に入っており、ジョゼ・サにもポジションを奪うチャンスはあるはずだ。今季はジョゼ・サにとって特別なシーズンになっていることだろう。

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